記事詳細

【当てちゃる券】やっぱり競輪は9車立てが面白い 9Rは島川が直線抜け出す

 本を買った。題名は「少年と犬」。

 先日、直木賞を受賞した馳星周氏の作品だ。今まで彼の作品を読んだことがなかったが、競輪を愛するハードボイルド作家が犬をどう描くのか興味深かった。

 それは自分が犬を飼っているということも読んでみたくなった理由だった。気が付いたら一気に読み終えていた。作者の犬に対する愛情が本編を通してあふれており、最終章は泣けた。

 実は、随分前にオレは馳氏を競輪祭で一度お見かけしたことがあった。副支部長をやっていた40代前半のころだ。選手会の部屋で関係者と談笑されていたが、オレが会話に入るキッカケがなかった。この本を選んだのはそんなことも引っかかっていたからかな。

 後味の良い本を読めてよかった。今度は馳氏の他の作品も読んでみたい。

 ところで、最近の7車立てレースは物足りないと思うのはオレだけか?

 やっぱり競輪は9車立てが面白い。元選手の立場から言うと記念競輪(GIII)は9車でやってもらいたい。走る選手にとって7車立ては短いし、展開もシンプルだ。

 記念優勝のハードルは低くしてほしくない。

 2日目のS級準決勝は3レースとも徳島勢が1着。九州勢は完全に脇役だ。

 小倉ナイター最終日S級決勝(9R)は、四国勢が4車並ぶ強力ライン。井上-園田は前受けから再度イン待ちが濃厚。逃げない井上に任せた園田の後ろは絶対に回らない田中が徳島3番手の原田に再度競りかける。先頭の小川は飛びつかせないように一気に仕掛け、島川が直線抜け出す。〔5〕-〔6〕-〔1〕〔4〕〔7〕。

 初日もそうだったが競りを避けるレーススタイルの園田の後ろを後輩のマーク屋が回ろうとしない。だが、園田の武器は直線の突っ込み。小倉のトップ選手として優勝を狙ってもらいたい。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。