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【当てちゃる券】共同通信社杯、実力と運が最高にかみ合った初優勝

 伊東で行われた共同通信社杯を制したのは“伏兵中の伏兵”中本匠栄(熊本・97期)。33歳でビッグレースで初めて決勝に乗り、しかも6番車で2着繰り上がりでの初優勝とは盆と正月が一緒に来た心境だろうか。

 近年着実に力を付けてようやくここまで来た感はあったが、流石にこの豪華メンバーで彼の優勝を予想した人はいなかった。実力と運が最高にかみ合った開催だったといえる。

 失格した山田英明(佐賀)には申し訳ない気持ちだろうが、ここまで来たら中本にはもう一段上を目指してもらいたい。

 オレの同期、戸辺英雄はこんなことを言っていた。

 「俺はGIGIIの決勝には13回乗って、表彰台には7回上がった。でも真ん中には一度も立てなかった」

 同席した全員がこのものすごい記録に驚くと無冠の帝王は続けてこう言った。

 「取れる奴はよくわかんないうちにポンっと取っちゃうんだ。大坂なおみとか渋野日向子がそうだろ。逆に錦織圭とか松山英樹はもう何回やっても絶対取れないよ。いつかは取れるかなって思ってた俺は甘かったかな…」

 そういえば先日の全米オープンで松山英樹は優勝圏内にいながら最終日に崩れた。“女神に後ろ髪はない”といわれるが戸辺英雄の言葉は当たっている。

 最後にガールズケイリンコレクションは高木真備(東京)の完勝だった。彼女の走りには“強い自信”が見て取れた。すでにマキビームを照射されているオレは真備時代の到来を確信したのだった?

 久留米ナイター最終日A級決勝8Rは117期の新鋭・松本の勢いが勝る。追走・田中とのワンツー車券〔6〕⇔〔2〕-〔1〕〔3〕〔4〕。

 S級決勝9Rは地元3割増し。林が弟・慶次郎に負けじと逃げまくる。田中-坂本の久留米両者で決着。〔3〕⇔〔1〕-〔2〕〔4〕〔7〕。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。