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【当てちゃる券】ウオーミングアップとクールダウン今昔

 今では当たり前のウオーミングアップとクールダウン。しかしオレがデビューした37年前には、まったくやらないベテラン選手も結構いた。指しかけの将棋をそのままに、走り終わるや急いで戻り汗を拭きながら続きをやっている選手や、四股を何度か踏むと「準備完了!」と言って出陣する先輩もいた。まだ、のどかな時代だった。

 競輪界で本格的にアップをやりだしたのは菅田順和(宮城36期=引退)さんだと聞いた。世界選手権を経験し、当時の最先端を取り入れたんだろう。超一流は個性的だった。大抵の選手はローラー台で汗をかくが、滝澤正光(千葉43期=引退)さんはローラー台には乗らずランニングしかやらなかった。そしてなぜかいつも“ラジオ体操第一”を黙々とやっていた(笑)。

 井上茂徳(佐賀41期=引退)さんは超マイペース。対戦相手がアップを終え戻ってくる頃に昼寝から起きた鬼脚のウオーミングアップが始まる。レース後のクールダウンは異常に長く、宿舎へバス輸送のときには選手全員を車内に待たせ悠々とローラー台に乗ってた。それでも当時は鬼脚に文句をいう選手は一人もいなかったな(笑)。

 それぞれにルーティンがあり選手はそれに強くこだわった。一度レーサーシューズを履くとレースが終わるまで絶対に脱がない選手や、ゲン担ぎなのか3日間決まったローラー台にしか乗らない選手もいた。今の超一流選手はどんなアップやクールダウンをやってるのか非常に興味深い。

 10Rは役目の分かっている大石が、地元の成清を目いっぱい引っ張る。

 〔9〕⇔〔1〕-〔2〕〔6〕〔7〕。

 11Rは小原の逃げを松坂と阿竹がまくり合う。

 〔1〕⇔〔5〕-〔3〕〔7〕〔8〕。

 12Rは寺崎-山本で決まり。

 〔3〕⇔〔9〕-〔1〕〔7〕〔8〕。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。