記事詳細

【当てちゃる券】親子で歩む競輪道

 2020年自転車の世界選手権女子オムニアム優勝の梶原悠未(かじはら・ゆうみ)選手を知ってますか?

 彼女は東京オリンピックの金メダル最有力候補なのだ。そして驚くなかれ、コーチは競技未経験のお母さんだという。

 自分といえばガキのころから親が出てくるのが苦手だった。正直、照れ臭かった。父と母はオレが走るレースを生で一度も見たことがなかった。50歳のとき、初めてA級の負け戦を走るオレを応援に来てくれた。1着を取る姿を見て喜んでくれたときは素直にうれしかった。

 弟弟子の森山昌昭(67期)も親子鷹だ。

 高3に進級したとき「選手になりたい」と言い出した。昌昭の父・慎雄さん(24期=引退)はオレと吉岡稔真(65期=引退)の師匠。確実にオレたち以上にシゴかれるから「やめとけ」と説得したが、父に入門した。昌昭は朝から晩まで続く猛稽古によく耐えた。師匠の練習は確かに前時代的な猛練習だったかもしれない。

 しかし、3人ともノンキャリアながら日本競輪学校には1発合格し、当時のS級1班(約4000人中130位以内)まで昇級した。また、吉岡は輪史に名を刻むほどの選手になった。死にそうな経験をしたこともあったが、「死ぬ死ぬ言うて、まだ死んだ奴はおらん」が酔うと師匠の口癖だった。

 伊東ナイター最終日。今節は親子鷹がいた。

 決勝を外したのは残念だったが、11Rに出走する坂本紘規(青森117期)の父は坂本勉(57期=引退)だ。

 2人の兄(貴史94期、周輝100期)の後を追い、競輪選手になった。息子が3人も同じ道を選ぶなんてチョッピリうらやましいな。

 A級1、2班戦決勝12Rは武田のデキが抜群。早めに出切り、番手の原田が差し切る。

 〔1〕⇔〔7〕-〔3〕〔4〕〔5〕。

 青森勢の2段駆けもいい勝負だ!(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。