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【当てちゃる券】競輪選手、引退の季節

 一年を2回に分け競走得点で序列をつける競輪選手にとって、6月と12月は別れの月。つまり引退の季節だ。7日の和歌山競輪最終日第2レースを最後に一人のロートル選手が33年7カ月の競輪人生を終えた。

 名前は平田哲也(54歳・兵庫・59期)。彼は亡くなった斎藤哲也さん(45期・引退)の一の子分だった(笑)。当然オレの友人でもある。

 最後の競走はジャン4角から普段なら絶対にやらないカマシを決行し、末着でもゴールまでモガき切った。

 「これは大津びわこ競輪場での斎藤さんのラストランのパクリでは?」

 聞けば「そうです! 目立ちたかったのでパクリ承知で逃げました。脚は残ってません(笑)」

 あちらで斎藤さんも喜んでいたに違いない。病気のせいでラストランがかなわなかったオレはその走りが羨(うらや)ましくもあった。

 その夜は恒例のご近所に住む選手の焼肉忘年会だった。小倉で優勝した樫山恭柄(92期)が「A5ランクは任せろ」と豪語したが、高松の追加あっせんで欠席。

 脚を上げてきた市橋司優人(103期)は来年の後期に「ようやくS1に上がれそうです。来年はGIII制覇とGI出場が目標です」と大風呂敷を広げた。その意気や良し。

 S級1班という地位は今も昔も変わらないステータス。その重みはオレたちの期待の重みでもある。司優人、来年の忘年会はA5ランクのお肉はお前に任せた。

 久留米最終日A級決勝11Rは緒方浩一さん(30期・引退)の息子、緒方将樹がラインを引き出し、番手の瓜生が有利に運ぶ。

 〔1〕⇔〔4〕-〔2〕〔5〕〔7〕。

 S級決勝12Rは山崎がレースを支配する。番手・松川との一騎打ちが濃厚。

 〔3〕⇔〔7〕-〔1〕〔4〕〔5〕。

ダービー王・小川博美さん(43期・引退)の息子・小川が頑張れば別線を選んだ野田の出番。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。