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【当てちゃる券】競輪界で年齢の壁を打ち破った選手と言えば

 オレをボクシングファンにしたチャンピオンが15年ぶりにリングに立った。1980年代、絶対王者として君臨したマイク・タイソン。エキシビションマッチではあったが、彼は全盛期をほうふつとさせる、キレッキレの動きを披露し、“トレーニングと節制”で54歳の肉体を見事に蘇らせた。

 競輪界で年齢の壁を打ち破った選手と言えば“中年の星”と言われた松本整さん(45期・引退)だろう。それまでの競輪界では30歳を過ぎれば下り坂が常識。その常識に挑戦し続け、年齢を言い訳にしなかった松本さんは45歳で高松宮記念杯を優勝し、突然の引退宣言でバンクを去った。

 のちに40歳代のGI、GPの優勝者は山口幸二、村上義弘、村上博幸、武田豊樹、佐藤慎太郎の5人が松本さんの後を続いた。

 俺自身、42歳で一期だけS1へ復帰できたのも松本さんを手本に頑張ったことが大きい。次に大ギアの先駆者と言えば、山崎芳仁(福島・88期)だ。3・85が“メンズギア(男のギア)”と言われていた時代に4回転を引っ提げて登場した彼は、今では考えられないような逆風の中で結果を出し続けたパイオニアだ。選手間では昔から大ギア不要論が根強かった。軽いギアを速く回せるほうが優秀で、大ギアは身体へのダメージが大きくて、選手寿命が短くなると言われた。

 そのころの4回転はロートルの必須アイテムでしかなかった。しかし、今考えるとこれも思い込みにすぎないことを山崎が実証した。オレは40歳を回っていたので時代に付いていけなかったが、これも先入観に過ぎなかったのかもしれない。

 松山ナイター最終日S級決勝12Rは好調・竹内が最終日も逃げまくる。番手・山下を信頼する〔2〕⇔〔6〕-〔1〕〔4〕〔7〕。脚をためる競走得点最上位の坂本の自力も一考。(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。