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【当てちゃる券】不思議な御縁。洋楽師をしのぶ

 子供の頃、落語を聞くのが好きだった。今でも「寿限無」はそらで言えるし、クラス会で「時そば」をやったこともある。当時のひいきは金原亭馬生。人気者だった桂枝雀の独演会に行ったこともある。本紙では立川流の落語家さんたちの文章を楽しんでるが、オレにも落語家の友人がひとりいた。

 名前は三遊亭洋楽。5代目三遊亭圓楽の弟子だ。競輪祭で関係者を通じて仲良くなり、よく遊んだ。芸人には珍しく人見知りでいつも気配を消していたが、ここぞの踏み込みは鋭かった。

 その頃、日本を震撼(しんかん)させた某宗教団体の経営するラーメン店に入ると洋楽さんは店員に言った。

 「あなたもオ〇ム?」

 オレは震え上がった。

 東京・神楽坂のアパートに泊めてもらったときに飾ってある写真を覚えている。真打ちに昇進した数名が床に頭を擦り付けて客席に深々とお辞儀をしていた。誰が洋楽さんだか分からなかったけど気持ちがビンビン伝わってくる写真だった。

 「笑点」で師弟大喜利に出演したときは滑ってたなぁ。レース前、応援FAXをもらったり、公民館の落語会に行ったりと思い出は尽きない。

 亡くなられたことは聞いていた。最後に函館で会ったときは函館市議をやっていた。

 一昨年の競輪祭で夕刊フジの松垣記者が洋楽さんとジッコンだったことを聞き、不思議な御縁を感じた。オレは洋楽さんが以前、本紙に携わっていたことを知らなかった。

 昨年末、松垣記者の書いた『不器用な落語家 三遊亭洋楽』(彩流社刊)を読み終え、改めて洋楽さんをしのんだ。

 久留米ナイター最終日S級決勝12Rは117期対決になった。

 ライン3車の石原は抑えて駆ける一手。長島は中団、町田は前受けから引いてまくって決める。

 〔4〕⇔〔1〕-〔2〕〔3〕〔5〕。(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。