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【菊池仁志 フィッティング予報】サッカーと競輪の共通点は

 24日、松山記念競輪で地元の松本貴治選手(愛媛111期)が記念初優勝を達成しました。初日から四国ラインが大活躍。流れは準決勝まで続き、決勝には4人の選手が進出。その勝ち上がりを見ていて、あることを思い出しました。

 競輪選手時代、自分はサッカーに興味があって、ワールドカップやトヨタ杯など世界の一流チームが戦う試合をよく観に出かけたものです。

 2002FIFAワールドカップ決勝もライブで観戦しました。

 あるとき、テレビでスペインのサッカーチームにある『カンテラ』という育成システムを紹介した番組がありました。

 『カンテラ』は中学生や高校生が寮生活で勉強しながらサッカーの英才教育を受ける学校のようなもので、将来プロを目指す選手たちをチームが資金を出して育成するシステムです。

 そのなかで監督が「サッカーをやっているだけでは強くなれない」、「ここは勉強もしっかりと教える」というコメントをしていました。どうして?

 というインタビュアーの問いには「サッカーは11人でやるもので、途中交代やシステム変更にそれぞれの選手が瞬時にチームとしてバランスを取らないと勝てない。そのための勉強である」と。

 当時、現役選手だった自分はその答えに少し驚いたのと同時に、なんか競輪のラインみたいだなあ、と感じました。

 競輪はレース前日にメンバーが発表されます。それを選手たちが見て記者さんたちにコメントを出すのですが、その短い時間のなかにさまざまな思惑と自分の力をどう出せるかを模索しています。

 また、どうラインを組むのかも考えます。ラインを組む選手たちには役割分担があり、それぞれの仕事がうまくいったラインは勝つ確率が高くなります。

 松山記念決勝は、四国の選手たちの頑張りもあって4人の選手がラインを組むことができました。先頭に島川将選手、番手は松本選手、3番手には橋本強選手、4番手を渡部哲選手。

 サッカーでいう、パス出しからシュートにつながる流れ、攻めている間ゴールを守るイメージがチームとして、ラインとして最高のものになったと思います。

 結果は松本選手の優勝! 強固なラインを作るには各選手の技量も試される。そんな目で競輪を見るのも面白いですよ。

 松山ナイター2日目準決勝12Rは初日に強い競走を見せてくれた松井選手が中心。

 2着は予選を逃げ切った竹内選手、番手を回る桑原選手から狙う。

〔2〕-〔1〕〔4〕-〔1〕〔4〕〔5〕〔7〕で勝負だ!

(元競輪選手・プロコーチ)

■菊池仁志(きくち・ひとし)1961年7月生まれ。愛媛県松山市出身。1981年6月選手登録47期。83年4月S1班昇格。2011年11月にS級在籍のまま競輪選手を引退。競輪選手生活30年のうち、S級在籍は28年に及ぶ。

 GI、GII決勝戦進出。GIII向日町優勝など。通算268勝。競輪選手引退後は、競輪解説、コラム執筆などを手掛け、15年からプロコーチとしても活動。「K-FITTINGバイクスクール」を開講し、ジュニアから社会人、プロ選手といった幅広い層の指導にあたる。選手の癖を読み取るのが得意。