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【当てちゃる券】街道練習。公道使用に思う

 先月の24日、デビューして1年にも満たない新人が公道での練習中に尊い命を落とした。

 その痛ましいニュースを聞いたときに、10年前の事故を思い出した。後輩の田中祥隆(81期・引退)はまじめな男だった。

 その日、彼は北九州空港へ続く見通しのよい連絡道路で練習中に事故を起こした。前記の新人選手と同じく、たまたま道路脇に停車していたトラックに突っ込んでしまったのだ。2週間後に意識が戻り一命だけは取り留めた。

 それからしばらくして見舞いに行くと彼は車いすで出迎えてくれた。脊椎を損傷し二度と歩けない身体になっていた。神様というのは不公平だなと思った。オレは込み上げてくるやるせなさを飲み込み、なるべく冷静にしゃべった。

 「バカタレ、前を見よらんやったんか?」

 勝手知ってる練習コースほど魔が差してしまうのか、起きた事故は取り返しがつかないことが多い。俺自身、乗り込みや車誘導は練習の半分以上を占めていたので街道練習賛成派だ。

 しかし、振り返ると何度か危ない目にも遭遇し、生還できたのは、ただ運が良かっただけに過ぎない。

 本来、公の道路は競輪選手の練習のためにある訳じゃないし、世の中や道路環境も、のんびりしていたオレらの時代とは違う。

 ネットでは「競輪選手が車やオートバイを使って公道で練習するのは許されるのか?」というカキコミがあった。業界はスルーしてはいけない問題だと思うが…。

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小倉ナイター2日目S級準決勝9Rは徹底先行・望月に乗る桐山から。

 〔1〕⇔〔4〕-〔2〕〔3〕〔5〕。

 10Rは松本で不動。林の頑張りで松岡が肉薄。

 〔1〕-〔2〕〔5〕-〔2〕〔3〕〔5〕。

 11Rは伊藤を使う園田とまくる小松崎で互角。

 〔2〕⇔〔3〕-〔1〕〔5〕〔6〕。

(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。