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【真打 立川志らべ 口先先行一車】時代によって変わる“競輪”

 前回書いたように、昔の競輪の本を読むとラインというものの記述がありません。基本的に、強い先行選手の番手に強い追い込み選手が付く、というスタイルだったのです。

 でも、今の競輪ファンは、競輪≒ライン、というくらいに考えています。時代によって“競輪”が変わってきたんですな。

 私も競輪が好きになったのはラインがあったから、だと思います。しかし、ラインに対して疑問を持つようになったのが、2018年の名古屋記念決勝です。

 簡単に言うと、簗田一輝-渡辺雄太の静岡コンビが主導権を握って、渡辺選手が番手まくりをして優勝しました。

 このレースを見て、なんだかいや~な気持ちになったんですよ。簗田選手は先行タイプの選手ではない。その選手が番手の選手のためにと必死に逃げ、渡辺選手が番手まくり。川村晃司がまくってくるんですが、もう勝負権のない簗田選手がブロックするんです。

 ちょうどその頃、世間が日本大学(私の母校ですよ!)アメフト部の悪質タックル問題で大騒ぎだったというのもあるんですが、「怖い」と思いました。

 多くのファンは「男気先行」とか「ラインの絆!」みたいに言っていましたけど、個を殺して走る姿に、いや~な気分になったのです。ラインの存在があまりに大きくなりすぎて、このシステムが疲弊しちゃっているんじゃないか? と。

 この先、日本独特の、“空気”とか“雰囲気”で走らされちゃう選手がいたら嫌だなあと思うのです。

 山口拳矢も、自分本位の競走をやり続ければ、それがスタイルとなって、競輪に新たな流れができるかもよ?

 別府2日目はS級準決勝10Rで大好きな新鋭・菊池の逃げ切り狙い。〔1〕-〔7〕-〔3〕〔5〕で大勝負でしょ!

 うーん。やっぱり、逃げてラインで決着させる選手が好きだ!

 ■立川志らべ(たてかわ・しらべ)1975年9月3日生まれ。静岡県伊豆の国市出身。落語家。2000年に立川志らくに入門。07年に二ツ目昇進。18年10月に真打昇進。趣味は音楽鑑賞、サッカー観戦。競輪の造詣が深く、好きな選手は村上義弘(京都・73期)。本紙競輪面にコラム『真打 志らべの口先先行一車』を連載中。