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【内田浩司のまくり語り】修行は厳しいほうが…は時代錯誤だろうか?

 日本競輪選手養成所に名称が変更されて2年たったが、候補生に長髪が許されていたことは知らなかった。また日曜日の外出時には携帯電話もOKらしい。

 修行というものは厳しいほうが、ある意味、振り返ったときに思い出深くなると考えるのは時代錯誤だろうか?

 友人と久しぶりに飲んだ。相手は西武ライオンズの黄金時代に代打の切り札として活躍した森博幸さん(57歳)。

 現在は千葉経済大学付属高等学校野球部の監督をやって3年目になる。彼は高校生に野球を教える楽しさや難しさを語ってくれた。

 意見が合ったのは野村克也氏(以下敬意を込め監督と書く)の教えだ。監督は野球より先に人間形成の重要性を説いた。

 以前書いたが「両親と道具を大切にしない選手は一流になれない」という監督の言葉には「人間は感謝の気持ちを忘れてはならない」という意味が込められている。

 残念ながらプロスポーツの世界は才能や成績が最優先され、人間形成は後回しだ。若くして大金を稼ぎ、チヤホヤされたその結果、人生そのものを失敗してしまう選手もいる。

 森さんは「野村監督の下で野球をやってみたかった」としみじみと語った。最後に「部員は丸刈り? それとも長髪ですか?」と振ると「高校野球は教育の一環です。長髪はこの先の人生でナンボでもできます。白球を追いかけた3年間が丸坊主でも僕はいいと思います」。

 オレは大きくうなずいてワイングラスを空けた。

     ◇

 いわき平ナイター最終日の出走表を見るとき、同い年をつい探してしまう。

 いたいた。A級特選8Rの小林覚(神奈川・56期・58歳)はA級で競走得点83点とまだまだ元気!

 絶倫のカクちゃんは当然あっちはまだまだS級だろう。来年の誕生日(11月4日)には還暦レーサーの仲間入りだ。  

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡・65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を執筆。『まくり語り』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。