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【艇王・植木通彦 さわやか交友録】ルーキー世代の活性化に向け実技だけでなく「心」の指導も 山崎昭生

 ■山崎昭生さん(61)香川県出身、51期、GI・PGI優勝4回、今年2月に引退。

 4月20日から25日に山口県・ボートレース下関で45歳以上の経験と実績あるレーサーによってPGI第22回マスターズチャンピオンが開催されます。本来ならこのレースに出場できる実績を持ちながら、4月からボートレーサー養成所の実技教官に就任された山崎昭生さんをご紹介します。

 山崎さんは、私が新人時代、当時の新鋭リーグ(現ルーキーシリーズ)、GI新鋭王座決定戦(ヤングダービー)で活躍した私たちの憧れの的でした。特に1990年に蒲郡(愛知)での新鋭王座決定戦を4コースから強気なまくりで優勝されたのは印象的でした。

 山崎さんのレースイメージは、いっしょにレースしていた頃は戦法が読めないレーサーでした。決まり手には、逃げ、まくり、差し、まくり差し、抜き(追い上げ)とありますが、レースに応じて全てができ、またスタートも早く、私より内側コースからのレースの時は難しい相手だった記憶があります。

 素晴らしい実績を持つ山崎さんは、4月から将来のスターを目指す若者に実技を含めたレーサー道を指導する立場になります。YouTube『ボートレースウィークリー』では、これまでレーサーへの指導経験はあるものの、プロ経験のない養成員にゼロから教えていくことに不安はあると話していました。一方で、新人たちの分析もしており、すでに準備されているように感じました。また、ファンあってのボートレースという意識を持つことの重要さについても話していました。山崎さんは現役時代は寡黙なイメージでしたが、番組ではよく話していただきました。

 山崎さんの座右の銘に『動中静』があります。現役時代は周りがざわざわしていても、自分は気を取られることなく、落ち着いていくことを心掛けていたそうです。この言葉は長きにわたるレーサー人生の中で必要だったのだと思います。ぜひ養成員にも実技とともにそういうご指導をお願いしたいと思います。

 これから進化していくボートレース界にとって山崎さんのようなレーサーOBは重要な役割を果たすと思います。養成員はゼロからの指導なので、あまりに高度な内容やスピードの急ぎ過ぎは理解不足となり、逆にあまりに安易な内容では現代のレースについていけません。その辺りのバランスが必要です。そこに山崎さんの豊富なレース経験を生かして、レーサーにとって最も大切な基礎を身につけさせていただきたいと思います。

 これを読んでいただいている頃は、山崎教官として指導をされていると思います。山崎教官から指導を受けた新人レーサーにもぜひ注目してください。

 ■植木通彦(うえき・みちひこ) 1968年4月26日福岡県生まれ。福岡県立博多青松高校卒。86年11月デビュー。2007年7月の引退までSG優勝10回を含む74回の優勝、公営競技初の年間獲得賞金2億円を達成したボートレース界のレジェンド。2018年、初代ボートレースアンバサダーに就任。テレビ『BOAT RACEプレミア』他、ラジオ『くにまるジャパン極(文化放送)』他、ネット放送、イベント、講演会で活躍中。『植木通彦オフィシャルブログ』でも発信。

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