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【菊池仁志 フィッティング予報】“クロモリ”と“カーボン”競輪用と競技用自転車の素材による違いは?

 松山GIIIナイター「第13回国際自転車トラック競技支援競輪」が開催中です。購入頂いた車券の一部は未来のメダリストを応援するための資金になります。

 現在、競輪選手として活躍しながら、ナショナルチーム(日本代表)として世界を舞台に活躍している選手たちがいます。

 国内の競輪では、鉄(クロモリ)を素材としたフレームと認定パーツで構成された自転車を使っています。自転車1台を走れる状態に組み上げても、目が飛び出るほどの額にはなりません。ママチャリと比べるとはるかに高価ですけど(笑)。

 ところが競技用の自転車は、カーボン素材のフレームと部品で組み立てられていて、軽く軽乗用車新車1台分の額を超えることもあります。びっくりです!

 その性能は桁違いで、競輪用のクロモリ自転車から競技用のカーボン自転車にはすんなりと乗り換えることができても、逆の場合は苦労します。

 ただし、高性能のカーボン自転車を自在に扱えるようになるには、それなりのトレーニング(パワー)が必要です。

 ナショナルチームの選手たちが、国内の競輪を走るとき、クロモリ自転車のセッティングに苦労している話はインタビューなどでも聞けると思います。フルオーダーのクロモリ自転車と違って、競技用のカーボン自転車は、サイズが決まっているため、比較的セッティングが出しやすいのです。カーボンを乗りこなすにはそれなりのパワーが必要、クロモリに乗るにはセッティングが大事…そういう難しさがあります。

 そうしたなかで、ガールズは国際基準に準じているため、カーボン製のフレームを使うことができます。競技に一番近いのがガールズと言えるでしょう。

 今開催、競技と競輪で頑張っている佐藤水菜選手が参加しています。

 2021UCI香港ネイションズカップのスプリント予選では、なんと10秒9!

 現在、ナショナルチームを中心とした選手たちが競輪のスピード化を加速させています。そのスピード感を養うためにトレーニングでカーボン製の自転車を使う男子選手も多くなってきました。どこまでスピード化が進むのか?

 今秋からいよいよ250競輪も開催されます。ラインという概念がなくなる競輪がすぐそこまで迫ってきているかもしれません。

 松山GIIIナイター2日目3Rは佐藤水菜選手が中心のレース。〔7〕-〔2〕〔4〕〔6〕-〔2〕〔4〕〔6〕で勝負する。

(元競輪選手・プロコーチ)

■菊池仁志(きくち・ひとし)1961年7月生まれ。愛媛県松山市出身。1981年6月選手登録47期。83年4月S1班昇格。2011年11月にS級在籍のまま競輪選手を引退。競輪選手生活30年のうち、S級在籍は28年に及ぶ。

 GI、GII決勝戦進出。GIII向日町優勝など。通算268勝。競輪選手引退後は、競輪解説、コラム執筆などを手掛け、15年からプロコーチとしても活動。「K-FITTINGバイクスクール」を開講し、ジュニアから社会人、プロ選手といった幅広い層の指導にあたる。選手の癖を読み取るのが得意。