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【菊池仁志 フィッティング予報】ゲン担ぎとルーティン。最後に残ったのは

 競輪選手生活30年、勝つときもあれば負けるときもありました。どちらかというと負けるときが多かったような(笑)。不思議なもので、練習の感じが悪くて勝つイメージがまったくできないときでも、1着をとれることがあります。そんなレースは特に印象に残ります。

 その後、まったく勝てなくなると、そのときに履いていたパンツや、身に付けていたインナー、はたまた風呂はどちらの足から湯船に入ったか、シューズはどちらの足から履いたかなどなどを思い出し、そのときと同じようにしようとします。神頼みみたいなものですね(笑)。

 まあ、それで勝てないなら、もうそんなことはしないのですけど、それで勝ててしまうと、もうそれはゲン担ぎになってしまうわけです。過去に優勝したことのある競輪場に入るときは同じ道筋で行ったりもしました。

 ただ、そのゲン担ぎがあまりに多くなってしまうと疲れてしまいます。競輪ファンの皆さまも、車券投票の際に似たような経験をお持ちの方が多いのでは(笑)。

 最後に残ったゲン担ぎは、シューズは左足から、手袋も左からだけになりました。シンプルイズベストです!

 そのシンプルなゲン担ぎなのですけれど、メジャーリーグで活躍したイチロー選手や、ラクビーワールドカップで活躍した五郎丸選手が、プレーする直前、いつも同じ動作をしてプレーに入っていました。これが、いわゆるルーティンといわれるものです。長年選手を続けていくうちにゲン担ぎがルーティンになっていったのでしょうね。

 今は外から競輪を見る立場になりましたが、車券が当たらないとゲン担ぎをしてしまいます。当たるルーティンがあれば最高なのですけれど。そういえば先日、福井競輪場に行きました。愛媛から福井へのルートは現役時代、琵琶湖を左手に見ていくルートを通っていたのですが、ふと、反対側を行ってみよう、と思い、琵琶湖を右手に見るルートを通りました。するとどうでしょう…、予定より1時間も早く到着したのです。

 福井競輪場までの道のりはゲン担ぎで同じルートを使っていたわけではないのですが、凝り固まった考えをふと変えてみると、新しい道が見えてくるのかもしれません。車券にも生かしたいところです(笑)。

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 松山FIナイター初日4Rは特昇した119期犬伏湧也選手がA級戦初登場。先行でもまくりでも首位は不動。

 〔4〕-〔1〕〔3〕-〔1〕〔3〕で勝負する。

(元競輪選手・プロコーチ)

■菊池仁志(きくち・ひとし)1961年7月生まれ。愛媛県松山市出身。1981年6月選手登録47期。83年4月S1班昇格。2011年11月にS級在籍のまま競輪選手を引退。競輪選手生活30年のうち、S級在籍は28年に及ぶ。

 GI、GII決勝戦進出。GIII向日町優勝など。通算268勝。競輪選手引退後は、競輪解説、コラム執筆などを手掛け、15年からプロコーチとしても活動。「K-FITTINGバイクスクール」を開講し、ジュニアから社会人、プロ選手といった幅広い層の指導にあたる。選手の癖を読み取るのが得意。