【夕刊フジ人生相談駆け込み寺】説教ばかりの先輩立てるべきか 野々村氏「喧嘩してでも『おかしい!』と言うべきだ」

野々村直通氏

 ■今回のお悩み

 トラブルメーカーの先輩社員の扱いに困っています。

 とにかく文句が多いんです。会社の中でも上司に「それは違う!」と楯突いてばかりいます。こんな性格だから、最近はあまり仕事を回されなくなっています。その分、自分の言うことを聞く後輩に絡んでは、グチグチと説教をしてきます。

 尊敬できる人ならいいのですが、はっきり言って仕事の邪魔でしかありません。こんな先輩でも立てなきゃいけないのでしょうか。 (会社員・男性 33歳)

 ■回答者 教育評論家・野々村直通

 こういう人は、どこにでも必ずいますね。学校でも生徒にはまったく何もしないくせに、校長や教頭に口だけの教育論を話す教員がいました。この先輩はまさに「獅子身中の虫」でしょうな。

 私の読んだ組織論の本によると、組織には「2・6・2」の原理があるといいます。「後ろ向きな怠け者」が2割、「積極的に頑張る前向きな人間」が2割、真ん中の6割が何かというと、「優柔不断」というのです。

 悪い方の2割に、どっちでもいいという6割がつくと組織が悪くなります。逆にいい方の2割のほうに6割がつくと、悪かった2割の人間は恥ずかしくて組織にいられなくなります。

 私は1988年に、開星高校(当時は松江第一高校)の野球部を創りましたが、その組織論を参考にしました。創部したときの部員15人は、2割が「頑張ることができる子」、8割は「悪いことばかりする子」という割合でした。人間は放っておくと、楽なほうに流れます。いい集団にするまでに、10年ぐらいかかりました。

 野球部の監督として、個々の選手の技量や能力を鍛えることも大きな仕事ですが、チーム力が最終的に大きな力を発揮します。控え選手を腐らせず、「甲子園に行きたい」という気持ちを持ってもらうことで、組織は強くなります。

 あなたの場合でいうと、その先輩を放っておくと、周囲に悪影響を与えます。先輩と喧嘩してでも「あなたはおかしい!」とはっきり言うべきです。もし、できない場合はトップに直訴してみてはどうですか。本当は組織の長が何とかすべきですが、気づいていないかもしれません。会社の将来はあなたの決断にかかっています。(次回の回答者はコラムニストの石原壮一郎さん)

 ■野々村直通(ののむら・なおみち) 開星高元野球部監督、画家、教育評論家。1951年、島根県に生まれる。広島大教育学部卒。開星高野球部監督として計9回、同校を甲子園へ導く。21世紀枠の高校に負けた際の「末代までの恥」発言で辞任したが、嘆願の署名が集まり、復帰した。定年退職後、画家、教育評論家として活動している。著書に『やくざ監督と呼ばれて』(白夜書房)、共著に『にっぽん玉砕道』(産経新聞出版)など。

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