【血圧を下げる新常識】冬の心筋梗塞、脳卒中リスク回避11分間の「タオルグリップ法」 1日1回、週3回で全身の血管をリラックス

「タオルグリップ法」で成果を上げる日野原記念クリニックの久代登志男所長

 冬場は血管が収縮しやすく血圧が上がりやすい。暖かい室内から寒い屋外へ出ると、血圧が急上昇することがある。これは「血圧サージ」と呼ばれる状態のひとつ。血圧の急上昇は、血管に大きな圧力をかけ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める。

 「血圧は、カッとしたときでも急上昇することはありますが、高血圧の方は、普段の平均的な血圧が高いので血圧サージの悪影響を受けやすいのです。家庭での血圧測定を毎日行い、生活習慣を見直して、日頃の血圧平均値を下げるように心掛けましょう」

 日野原記念クリニック(東京・三田)の久代登志男所長は、そうアドバイスする。

 家庭の血圧測定では、135/85(単位・mmHg)以上で高血圧と診断される。薬の服用や生活習慣の見直しで、夏場は130/80の正常範囲に治まっていても、冬場は血管が収縮しやすくなることで、140/90に上がることは珍しくはない。日頃の血圧平均値が高い状態で血圧サージを起こすと、心筋梗塞や脳卒中のリスクは高まる。

 そこで、久代所長は、タオルを使って簡単に予防できる「タオルグリップ法」(別項)を患者に勧めて成果を上げている。

 「タオルグリップ法を1カ月程度続けていると、約8割の人の血圧が下がり、日体大の岡本孝信教授のデータでは、収縮期血圧が11・2、拡張期血圧が5・7下がりました。海外では収縮期血圧13・4、拡張期血圧7・8に下がったとの報告もある。効果のあった人は、取り組み続けると、効果は維持されます」

 タオルグリップ法で、2分間タオルを握ると、腕の筋肉が血管を圧迫し、一時的に血流は減少。タオルを離して血管が広がったときに、一酸化窒素(NO)という物質が放出されることで、全身の血管のリラックスにつながり、血圧の平均値を下げると考えられている。

 「タオルを強く握っても効果は同じです。3割程度の力でタオルを握るのがコツ。週3回でも5回でも効果に差はないので、1日1回、週3回を心掛けてください」

 即効性よりも継続することが大切。血圧の平均値が下がったからといって止めてしまうと、2週間で再び血圧の平均値が上がってしまうという。1カ月経っても平均値が変わらない人は、タオルグリップ法の効果は期待できない。

 「高血圧治療薬や減塩などの食生活の見直しと、タオルグリップ法は血圧が下がる仕組みが異なるので、誰でも取り組むことができます。治療の効果判定に影響を与えることもあるので、事前に主治医に相談してから行ってください」と久代所長。

 ■血圧の平均値を下げる「タオルグリップ法」
 (1)フェイスタオル1枚を用意、手で握りやすい大きさに折りたたむ
 (2)手で握ったときに、親指が別の指につかないような大きさにする
 (3)左右どちらかの手でタオルを2分間、軽く握り続けた後、力を抜いて1分間休む
 (4)2分間握り1分間休むことを3回繰り返し、2分間握って終了(計11分間)
 (5)左右の手をかえても、かえなくてもOK
 (6)1日おきに週3回行う