【夕刊フジ人生相談駆け込み寺】パワハラ先輩の激変に当惑 石原壮一郎氏「こちらも全力で猫かぶり、大人として成長しよう」

コラムニストの石原壮一郎氏

 ■今回のお悩み

 人事異動で、直属の上司に苦手な先輩がやってきました。新入社員のときに指導してくれた人ですが、パワハラがすごいんです。ミスすると罵倒されて、仕事が終わると飲みを強要されました。

 「また地獄か」と思っていたら、久しぶりに会った先輩はすっかり性格が丸くなっていました。若手は「理解のある上司」と思っているみたいですが、私は「猫かぶってんじゃないのか」と疑いを持っています。あまりに気味が悪いので、接し方に迷っています。 (会社員・男性 35歳)

 ■回答者 コラムニスト・石原壮一郎氏

 猫をかぶっているのか、本当に性格が丸くなったのか、そこは気にする必要はありません。確かなのは、若手から「理解のある上司」と思われている人物が、直属の上司になったということ。

 誰だって、会社で見せている顔は「作り物」です。コワモテなおっさん上司が、じつは女装マニアかもしれません。地味で暗い後輩女性が、夜な夜なクラブで踊りまくっていることだって大いにありえます。

 あなたが新入社員だったのは、軽く10年以上前のこと。その先輩の中身が変わっていないとしても、このご時世、当時のようなパワハラは許されません。

 相手の「本性」なんて気にせず、こっちはこっちで全力で猫をかぶりましょう。「いつのまにか見違えるように成長した中堅社員」をベースに、「若い頃に指導してもらった恩を忘れず、尊敬の念を抱いている後輩」の要素も加えたいところ。ヘタに素で接しようとするから、どうしていいのか迷ってしまうのです。

 「○○さんに鍛えてもらったおかげで、どうにか一人前になれました」「いやいや、俺は何もしてないよ」といった定型のやり取りを繰り返せば、少なくとも上辺は親密な関係になれるはず。

 未熟だった新入社員のあなたには、その先輩の言動がパワハラに見えていたけど、もしかしたら面倒見がいいだけだったかもしれません。過去の記憶におびえてないで、全力で普通に接して、大人としてひと回り大きく成長しましょう。

 仮にパワハラな一面をのぞかせても、「懐かしいですねー」と喜んでしまえば、たちまち勢いが弱まるに違いありません。(次回の回答者は俳優の野村宏伸さん)

 ■石原壮一郎(いしはら・そういちろう) コラムニスト。1963年、三重県松阪市生まれ。月刊誌の編集者を経て、93年に「大人養成講座」でデビュー。大人をテーマにした著書が多く、代表作に「大人の女養成講座」「大人力検定」などがある。近著は「悩める君に贈る ガツンとくる言葉」。「伊勢うどん友の会」を立ち上げ、故郷の名物である伊勢うどんを熱く太くやわらかく応援している。

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