《zak女の雄叫び お題は「白」》初雪のシカゴは白銀の世界

初雪で一面白く染まったシカゴ=11月9日、米イリノイ州シカゴ(宮崎瑞穂撮影) 

 地上94階の展望台から街並みを見下ろすと、高層ビルが夕日に照らされオレンジ色に染まっていた。夕焼けに負けじと輝くオフィスの照明。夕暮れ時、刻々と変化する摩天楼の景色は圧巻だった。

 ニューヨーク、ロサンゼルスに次いで約270万人が暮らす米国第3の都市シカゴ。東に五大湖のひとつ、ミシガン湖が広がるイリノイ州最大の都会は、“Windy city(風の街)”の愛称を持つ。冬場は湖から吹く季節風で、体感温度は想像以上に低い。

 ビジネス街の印象も強いシカゴには、ユナイテッド、マクドナルド、ボーイングなど多くの大企業が本社を置いている。また、イリノイ州はアイオワに次ぐトウモロコシ、大豆の生産地でもあり、そうした穀物を扱う世界最大級の商品先物取引所もシカゴにある。

 摩天楼が広がる街並みの成り立ちは、1871年10月に発生した大火に遡(さかのぼ)る。3日間燃え続け焼け野原となった街では大規模建築が可能になり、世界的な建築家が集まった。フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ…。多くの建築家が腕を競い、数々の高層ビルがそびえる街が出来上がった。

 今、摩天楼はシカゴの重要な観光資源。街並みそのものが建築物の博物館になっている。中心部を流れるシカゴ川を下る「建築クルーズ」では、川岸の左右に連なるビル群をひとつひとつガイドが解説する。

 “インスタ映え”するポイントとして人気を集めるのが、ウィリスタワーやジョン・ハンコック・センターの超高層展望台。いずれも透明なアクリル板の出窓があり、摩天楼の上に浮かんだような体験ができる。

 ある朝、外に出ると、まだ11月上旬なのに特に寒さを感じた。外に出てみると、雪がちらついている。シカゴの初雪だ。人々はブーツを履き、出勤前にスターバックスでコーヒーを買ったり、忙しなく大通りを歩いていたりする。初雪が降ったらもうクリスマス、と思う人もいるそうだ。

 ウィリスタワー108階にある展望台に登ってみた。日差しがなく空はどんより低いものの、眼下に広がるビル群の屋上にはすでに白く雪が積もっていた。数日前、夕焼けで見たものとは全く異なる白銀の世界。初めて見た白い摩天楼に夢中でシャッターをきっていると、その視界もなくなってきた。

 もう展望台は一面吹雪に覆われてしまった。出窓のようにビルから飛び出ている透明アクリルの展望台に人が立つと、真っ白な絵の中に人が浮かんでいるように見えた。

 気候や時間で様々な表情を見せる摩天楼。その美しさにただただ圧倒された(M)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。12月のお題は「白」です。