【人とペットの赤い糸】尿や糞をそのまま…人とペットの共生社会実現には、飼い主のマナー向上や教育が必要

糞尿の始末は必ず行う

 ペットは人間にとって、家族にとって、かけがえのない喜びや楽しさをもたらし、人の生活の質(QOL)を高めてくれることを今までの本コラムで紹介させていただいた。

 昨年末実施したペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査の「飼い主の責務認知の項目」についてさまざまな意見が寄せられた。そのトップ3は、1位「その動物が死ぬまで責任をもって飼うこと」83・6%、2位「他人に迷惑や危害が発生しないような飼い方をすること」73・6%、3位「その動物の生態や習性、生理などを十分に理解すること」64・6%となっている。

 ペットフード協会会長時代の2011年、ペットフードの知識のみでなく飼い主のマナー向上を目的に「ペットフード/ペットマナー検定公式テキスト」を発行し、インターネットを通じて受けられる試験制度を導入し、飼い主のマナーの啓発活動を開始した。今までに約2500人が資格を取得している。

 一方、最近のマナーに関して、「犬の飼い主が家の玄関先に尿や糞(ふん)などを排泄(はいせつ)させ、そのまま立ち去るので困っている」「犬の鳴き声がうるさい」「リードを離して散歩している」などの苦情が行政に寄せられている。人とペットの共生社会を実現するには、飼い主のマナーの向上が不可欠だ。まずは次のことを実施したい。

 (1)むやみに人を咬んだり、吠えたりしないようなしつけを身に付けさせたい。ドッグトレーナーに相談してみるのも良いだろう。

 (2)ノーリードでの散歩はしない。

 (3)糞尿の始末は必ず行う。

 (4)ペットの連れ去り事件もあるので、お店の前でつないで買い物をしたり、車内に置き去りにしない。

 (5)炎天下での散歩は犬の足の肉球のやけどにもつながるので、注意したい。

 (6)自転車での犬との散歩は事故を引き起こす危険性もあるので避けたい。

 (7)不妊去勢手術をしない犬をむやみに犬の集まる場所に連れて行かない。妊娠の恐れがあり、不幸な犬を増やすことにつながりかねない。

 最も大切なことは、新しい家族であるペットを迎えるときの飼い主の家族全員の教育、栄養管理やボディーケアの知識の習得、人間社会に適応するための社会化訓練だ。

 家の中でさまざまな危険なものを飲み込んでしまいかねないので、安心して暮らせる場所の整備、災害時に避難所などに避難することを前提としたクレートトレーニング(ペット用キャリーバッグやケージの中でおとなしくしている訓練)、各種予防接種、マイクロチップの整備なども人とペットの真の共生社会を実現するには重要である。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。