【ベストセラー健康法】体調不良がいつまで経っても治らない… 「鼻の奥」で炎症起こす慢性上咽頭炎が原因かも

『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』(あさ出版)1200円+税

 病気や体調不良がいつまで経っても治らない、原因がわからない、耳の下を触ると痛い-それは慢性上咽頭炎かもしれない。鼻の奥にある空気の通り道が慢性的に炎症を起こすことで、鼻とは無関係に見えるさまざまな症状が起きることがある。どうすれば改善するのか。

 まずは別項の症状を見てほしい。ストレス社会に生きる現代人なら、一つや二つ持っていそうな症状ばかりだが、何をやっても、いつまで経っても治らない場合は、この本を読んでみるといいかもしれない。

 『つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を治しなさい』(あさ出版刊)。著者の堀田修氏は仙台市内で自身が運営するクリニックの他、東京や愛知県豊橋市内の病院でも腎臓疾患の治療に当たる内科医。IgA腎症という難病の治療法開発に取り組む中で慢性上咽頭炎に着目し、以来、この病気がさまざまな不快な症状の原因となっていることを発信し続けている。

 そもそも「鼻の奥」の炎症が、なぜ「全身」の症状となって現れるのか。それは「関連痛」によるものだと著者はいう。

 「関連痛とは障害の起きた箇所から発せられる痛みの信号を、障害のない別の部位からの信号だと脳が勘違いすることで起きる痛みです」

 じつは、この慢性上咽頭炎には、強力な治療法がある。「EAT(上咽頭擦過療法)」という治療で、別名「Bスポット療法」とも呼ばれている。鼻とのどから綿棒を挿入し、上咽頭の炎症を起こしている部分に塩化亜鉛を塗り込むという治療法。聞いただけでも痛そうだが、やると実際に痛いという。「効果」と「痛み」を秤にかけて、どちらが重いかは人それぞれ。本書ではEATを行う全国の医療機関を紹介、痛みを伴わない改善策も紹介している。

 中でも柱となるのが「上咽頭洗浄」と「鼻うがい」。どちらも1リットルの蒸留水に対して9グラムの食塩を溶かした溶液を使うと、鼻にツンとこない。上咽頭洗浄は、スポイトで1回に2ccを目安に両方の鼻から注入。口に落ちた溶液は吐き出してもいいが、飲み込んでも問題ないという。

 鼻うがいは、片側の鼻から先ほどと同じ溶液を注入し、反対側の鼻から出す方法。これには専用の器具も市販されているので、慣れない人は使ってもいい。

 他にも、首の後ろに湯たんぽを当てて上咽頭の血流を改善する、舌の先を上あごに押し当てたり、睡眠時に「口テープ」を貼るなどして、鼻呼吸を習慣づける、寝る前に8分間の歯磨きを励行することで、空気の通り道を清潔にする-など、心がけたいことはいくつもある。

 「免疫系、自律神経系、内分泌系は、私たちが健康な生活を営むためにきわめて重要な、いわば『健康の土台』を担う三大調節系です。上咽頭はこの三つの調節系のすべてに関わっており、まさに上咽頭そのものが『健康の土台』と言えるでしょう」(本書より)

 鼻うがいや口テープは痛みを伴わない。まずはそれらを試してみて、さらに大きな効果を求めるなら、医療機関で「EAT」を受ける-というのが現実的かもしれない。(竹中秀二)

 ■「慢性上咽頭炎」が引き起こす症状(抜粋)
 頭痛、肩こり、首こり、倦怠感、疲労感、後鼻漏、声の枯れ、咳ぜんそく、のどの痛みや違和感、顎関節症、めまい、不眠、光のまぶしさ、鼻づまり、花粉症、痰、全身の痛み、歯の痛み、胃もたれ、過敏性腸症候群、思考力や記憶力の低下、鬱症状、生理不順など。