【人とペットの赤い糸】ペットを複数頭飼うことの注意点とは? 先住犬のしつけに問題あると…

複数のペットと暮らす楽しさ

 昨年のペットフード協会調査によると、犬飼育者は1人当たり1・24頭、猫飼育者は、ほぼ2頭に近い1・75頭と暮らしている。自分が責任を持てない多頭飼いはおすすめできないが、しかるべき点に注意し、飼育に責任をもつ覚悟ができたなら、複数のペットと暮らすことは楽しさも倍増するだろう。

 複数飼いを考える時、まずは現在暮らしている動物が他を受け入れられるかのチェックが必要だ。飼い主側の準備としては、複数の動物たちと暮らす十分な生活スペースの確保、飼育費用、医療費などの予測と不妊去勢手術など。責任をしっかり果たす覚悟が大切になる。

 犬は基本的に群れで暮らす動物である。先住犬の社会化ができており行動が安定している場合、犬同士がお互いに興味を持って一緒に遊んだり、新たに迎えた犬が先住犬と飼い主との関わり方などを見てマナーを学習することが期待できる。また、1頭の時と比べて、留守番をするストレスが減ることにもつながる。

 ただし、先住犬のしつけなどに問題が残ったままだと、さらに問題が広がる場合もあるので注意したい。飼い主のリーダーシップで犬との信頼関係を構築し、適切な社会化をした上での飼育は、飼い主と動物たちのより良い関係構築の基本である。

 猫の場合は、刺激などに慣れる社会化期が犬の16週齢頃と比べ8週齢頃までと短いのが特長だ。そのため犬より慣らすのが難しいが、無理強いせず継続的に慣らしていくことで、2頭目の猫を家族として迎えることも可能となる。

 ただし、先住動物が犬・猫の場合は、新たに迎える猫をいきなり会わせることは避けたい。先住犬・猫の動ける範囲を定め、新たな猫が間接的に相手の様子を自ら確認できるように配慮することで、慣れやすい環境ができる。人や車での移動など、できるだけさまざまな環境変化を経験させると、良い社会化につながるのでおすすめだ。

 動物の体をつくる食事のことも理解しておきたい。犬は雑食性、猫は肉食獣である。年齢によっても必要な栄養素は異なる。

 複数飼いの場合、個々の食事・水の摂取量、排泄(はいせつ)状態が把握しづらい。そのため、食事の際はサークルに入れる、部屋を区切るなど、それぞれがゆっくり安心して一定量を食べられるように配慮したい。排泄量を把握するためにもトイレは頭数以上の数を用意しておこう。

 重要なことだが、将来の大震災に備え、1頭ずつクレートトレーニング(ケージやキャリーバッグに入って眠る訓練)もしておきたい。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。