【ブラックジャックを探せ】「健脳ドック」でアルツハイマー型認知症の超早期発見に力

新井平伊医師

 ■アルツクリニック東京(丸の内)院長・新井平伊さん(65)

 JR東京駅と東京メトロ丸の内駅から地下で直結するビジネスビル・サピアタワー。その7階に昨年春オープンしたのが「アルツクリニック東京」。その名前からもわかる通り、アルツハイマー に代表される認知症と、軽度の鬱病の診断と治療に特化した専門クリニックだ。

 院長の新井平伊医師は、長く順天堂大学の精神科教授として、特に認知症治療の分野で活躍してきた第一人者。「40年にわたる研究と臨床の集大成として、やりたい医療を実践するために解説したクリニックです」

 日進月歩の認知症の診療と治療における、最先端の技術を提供することを目的とした医療施設だ。

 「最新の治療技術を効果的に用いるには、従来の診断よりもさらに早い段階で認知症の兆候を見つける必要がある」と語る新井医師が、このクリニックでスタートさせたのが「健脳ドック」。アルツハイマーに特化したPET(陽電子放出断層撮影)検査を国内で初めて導入し、約20年かけて進行していくアルツハイマー型認知症を超早期での発見に力を入れる。

 一方、「軽度の鬱病」の診断と治療においても新しい取り組みを開始した。「キャリア女子専門外来」だ。

 女性の社会進出が進み、さまざまな場面で活躍する女性が増えた。しかし、活躍の裏側にはストレスがある。キャリアを積む一方で、人知れず悩む女性に特化したメンタルヘルス外来だ。

 「会社にも、上司にも相談できずに悩んでいるキャリア女子は想像以上に多いが、その受け皿の整備は追いついていなかった。ゆっくりと話を聞き、必要に応じた医療介入を行っていく専門外来です」

 もちろん通常外来では、男性ビジネスマンや経営者など、第一線で活躍するビジネスパーソンの心の悩みに、丁寧に対応していく。

 認知症とメンタルヘルスの専門拠点が東京の玄関口にあることを、まず覚えておきたい。(長田昭二)

 ■新井平伊(あらい・へいい) 1953年、茨城県生まれ。78年、順天堂大学医学部卒業。84年、同大学院修了。東京都精神医学研究所、順大医学部精神医学講座講師を経て、97年、同教授(大学院医学研究科教授併任)。99年、アルツハイマー病専門外来開設。2010年から16年、順天堂越谷病院院長代行。12年、順天堂医院認知症疾患医療センター長を兼務。19年から現職。