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【司法書士 阿部亮のつぶやき世界一周】恐竜から引き継いだ鳥の特異な呼吸システム「気嚢」 100%の効率で酸素を全身に供給

 最近、呼吸や肺についてさまざまなことを調べていたら、地上で生きる脊椎動物の中で、鳥は極めて特異な呼吸システムを持っていることを知った。

 そもそも鳥は、重力に逆らって空中を飛ぶという、他の陸上動物に比べてより多くのエネルギーを必要とする移動を行う。なのに、ガンの仲間は高度1万メートルで、地表の30%の酸素濃度でも飛べるし、ペンギンの仲間は水深500メートルの深海を10分以上も潜水できる。またツバメの仲間は空中で食事や睡眠を取りながら、10カ月間も連続で飛び続けて、大陸を渡っている。

 この驚異的な身体能力は、気嚢(きのう)という呼吸器官のおかげだ。人を含め哺乳類は肺だけで呼吸をするので、呼気と吸気が肺の中で混ざってしまい、ガス交換の効率が悪い。人の普通の呼吸では約30%は使えずにムダになる。

 これに対して、鳥は肺の前後に気嚢という複数の袋状のポンプを持っていて、吸い込んだ空気は後気嚢に蓄えられ、次に肺に送られる。そこで酸素と二酸化炭素のガス交換が行われ、最後は前気嚢に送られて排出。この呼吸方式は、一方向にガスを流す形式で恒常的に行えるため、常に100%の効率で酸素が全身に供給される。

 この気嚢をつくったのは、鳥自身ではなく、鳥の先祖の恐竜だ。今から2億年前、地球環境の激変で酸素濃度が急減少。それに対応するために、初期の恐竜は気嚢をつくり・進化させて、6500万年前に絶滅するまで大繁栄。絶滅を逃れた鳥だけが気嚢を引き継いで、さらに大繁栄した。

 ■阿部亮 19歳で陸路を世界一周した高卒の法律家。司法書士法人新宿事務所の創業者。北海道札幌西高等学校卒業。卒業後、ミュージシャンを目指し18歳で上京。海外の音楽に触れ、誰も聴いたことがない音楽をつくりたいと19歳で陸路を世界一周する旅に出る。現在までに、ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に計10校の学校を建設している。

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