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【黒田尚嗣 世界遺産旅行講座】まるで「進撃の巨人」の舞台 ヨーロッパ最大の歴史的城塞都市カルカソンヌ (2/2ページ)

 また、このカルカソンヌには名前の由来となった伝説があります。フランク王国のカール大帝がこの城の市門前に陣を敷いて攻囲戦を行った際、当時の城主はカルカスという名の女領主でした。攻囲が6年目に入ったとき、城内には兵糧も水もなくなりかけていましたが、カルカスは一計を案じて太らせた豚を塔から投げ落とし、これを見たカール大帝はまだ城に十分な兵糧があると考え攻囲を解いて撤退したのです。

 そしてカルカスはこの勝利を祝福し、町中の鐘を鳴らさせ「カルカスが鐘を鳴らしている(Carcas sonne;カルカ・ソンヌ)」と伝わり、伝説ではこれがカルカソンヌという市の名前の由来とされています。

 今日、「カルカソンヌを見ずして死ぬな」と称されるほど素晴らしい中世の景観を堪能できるのは、この機知に富んだ女領主カルカスのおかげかもしれません。

 ■黒田尚嗣(くろだ・なおつぐ) 慶應義塾大学経済学部卒。現在、クラブツーリズム(株)テーマ旅行部顧問として旅の文化カレッジ「世界遺産講座」を担当し、旅について熱く語る。

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