記事詳細

【安達純子 健康寿命UP術】歯周病と糖尿病治療の併用で改善相乗効果 医師「悪循環を断ち切る」 (1/2ページ)

 健康寿命を延ばす上で、歯の健康は要となることが近年わかってきた。歯がないと食事が思うようにできず、栄養面での偏り、消化機能の低下、噛まないことで脳への刺激が減少するなど、体に悪影響を及ぼす。そのため、厚労省と日本歯科医師会が80歳になっても20本以上自分の歯を保つ「8020運動」を提唱している。

 歯が抜ける原因は、かつて虫歯が多かったが、今は歯周病によって歯が抜けてしまう人の割合が多い。歯周病菌が歯茎に炎症を起こし、歯の土台となる歯骨(歯槽骨)を溶かして歯が抜け落ちる原因となる。その歯周病菌や炎症によって放出される物質が、生活習慣病などの病気と関わることも明らかにされつつある。

 「歯周病は、歯と歯茎の境目間の歯周ポケットに歯周病菌が繁殖して起こります。歯周ポケット内の菌の総数は、耳かき1杯程度で何十億個も存在するほど、数が多いのです。それらの菌や産生物、炎症によって放出される物質が、血流などに乗って全身を巡ることで、糖尿病や動脈硬化の促進、誤嚥性肺炎や早産など、さまざまな病気に関係することがわかってきました」

 こう説明するのは東京医科歯科大学歯周病学分野の和泉雄一教授。歯周病と生活習慣病などとの関連について最先端研究も行っている。

 たとえば、糖尿病になると、血管内にあふれる糖質で血管や神経がダメージを受けて免疫機能も低下し、感染症になりやすい。結果として、糖尿病でない人と比べて歯周病が重症化する傾向がある。歯周病は糖尿病の合併症のひとつとしても捉えられているほどだ。そこで、和泉教授は、糖尿病患者に歯周病治療を行う研究を行った。すると、歯周病治療を併用した患者は糖尿病治療の改善効果が良く、糖尿病と歯周病治療の相乗効果が得られた。

関連ニュース