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【ぴいぷる】世界へ向けてアンテナぐるぐる カズオ・イシグロを広めた男、早川書房社長・早川浩氏 (1/3ページ)

 日本にカズオ・イシグロを広めた男-。早川書房の2代目はこう呼ばれる。

 昨年10月、日系イギリス人作家、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞した時、その作品すべてが早川書房から出ていることに関係者は驚かされた。以後、代表作『日の名残り』、映画化された『わたしを離さないで』などを中心に注文が殺到、1月末でイシグロ関係の書籍発行部数は226万部に達する。同賞発表前が99万部だったことからすると、そのすさまじさが分かろうというものだ。

 しかも、物理学賞のライナー・ワイスら3教授に取材したノンフィクション『重力波は歌う』、経済学賞のリチャード・セイラー教授の自伝的著書『行動経済学の逆襲』も昨年刊行していることから、ノーベル賞「3冠王」と話題をさらった。

 ミステリーやSFなどの外国作品を出版することで知られる同社。イシグロ作品は純粋な文学で意外な印象を受けるが、「今ではミステリー、SFより一般小説やポピュラー・サイエンス、歴史、哲学、ビジネスなどのノンフィクションが多いか、拮抗していますよ」。東京・下町育ちらしい独特の巻き舌口調で、やんわりと反論してみせた。

 「今回のノーベル賞3冠にしても、別に受賞しそうな人の書籍を探し求めた結果ではありません。社員が世界に向けてアンテナをぐるぐる回し、社是である『良書である』『息の長い作品である』を基本に、探し出してきた結果なんです」

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