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【高血圧ギモン解決】運動すると血圧が上がり心臓の負担になる? (1/2ページ)

★千葉大学医学部附属病院循環器内科・小林欣夫副病院長

 Q.運動すると血圧が上がり心臓の負担になる?

 A.運動能力が高い方が心血管死リスクは低下

 高血圧と診断されると、医師から減塩などの食事の見直しと同時に「適度な運動」を勧められる。もともと運動習慣がない人にとっては、体を動かすのはつらいこともあるだろう。青信号が点滅する横断歩道を慌てて渡り切っただけで、息切れがして顔が赤くなれば、心拍数が上がり、血圧の上昇は明らかだ。このような人が、運動をすると逆効果ではないのか。

 「ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動は、血流をよくして長期的には血圧を下げる効果があります。また、運動能力が高い人の方が、心筋梗塞による心血管死になるリスクが低いのです」

 こう話すのは、千葉大学医学部附属病院循環器内科の小林欣夫副病院長。心臓の血管内治療(カテーテルインターべーション治療)の世界的な権威で、数多くの患者を診ている。

 小林副病院長によれば、運動能力と心血管死との関連については、米国の医学情報誌での研究報告がある。

 45歳、55歳、65歳に運動能力テストを行い、「高い群」「中等度の群」「低い群」で、その後20年間で心血管死になるリスクを調べている。心血管死のリスクが最も高かったのは、運動能力が低い群。運動能力が高い群は最もリスクが低かった。

 「心筋梗塞は、心臓に栄養を送る冠動脈に生じたプラークという脂肪の沈着(動脈硬化)に、傷がついて血の塊ができ、これにより冠動脈の血流が遮断されることが原因になります。運動能力が高い人は、プラークがあっても、それを覆う膜が厚く破裂しにくい状態になっているのです。逆に、運動能力が低い人は、プラークの膜が薄くて、破裂しやすい状態といえます」