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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】蜂蜜の醸造酒「ミード」 花香る「人類最古の酒」 (1/2ページ)

 ミードという酒をご存じだろうか。蜂蜜に酵母と水を加え、発酵させた醸造酒だ。ワインより歴史は古く、1万年以上前からあったとされ、人類最古の酒といわれている。

 たしかに蜂蜜は森の中などに自然にあっただろう。そこに雨水がたまり、天然酵母が作用して酒になることは十分に考えられる。これを飲んだ人類の祖先が、ミードづくりを始めたのかもしれない。

 また、古代から中世のヨーロッパにおいては、新婚直後の夫婦が1カ月蜂蜜で酒をつくり、飲んだとされている。ここから「蜜月=ハネムーン」という言葉が生まれたという言い伝えもある。

 こうしたロマンと伝説の酒ミード。日本の第一人者といえば、宇野伸吾さんだろう。京都の蜂蜜ショップ「ミールミィ」の番頭にして、ミードの普及をライフワークにしてきた。数年前、宇野さんを訪ねると、蜂蜜ショップの奥に立派なバーカウンターがあり、ズラリとミードが並んでいた。

 ミードの本場はヨーロッパ。とくにポーランドのものが有名だ。香りは、たとえばバラの花から蜂蜜が採取されたらローズの香りというように、蜂蜜由来の香りがする。味わいも蜂蜜らしいコクが特徴だ。

 ヨーロッパのミードが伝統製法なのに対して、最近は北米やオセアニアの新しいミードが台頭してきた。こちらはワインのようにスッキリとしていて、花由来の香りもいっそう華やかなタイプだ。どちらが美味しいかは、お好み次第である。