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【マンガ探偵局がゆく】町は変わっても若者の夢は変わらず 阿佐ヶ谷が舞台の青春マンガ『若者たち』 (1/2ページ)

★ミッション(30)阿佐ヶ谷の街が舞台の青春マンガ

 研修を終えた新社会人が街を闊歩しはじめる季節。オールドボーイたちも若き日のことを思い出すことが多くなるのではないか。今回はそんなベテランからの依頼だ。

 「学生時代、上京して初めて暮らしたのは阿佐ヶ谷の下宿でした。阿佐ヶ谷に決めたのは、受験生時代にNHKでみていたドラマに惹かれたから。永島慎二さんのマンガが原作と知って、古本屋で買って何度も読み返したことも思い出にくっきり残っています。懐かしい町は、いまどうなっているのでしょう」 (まもなく還暦青年)

 依頼人が言うNHKのドラマは、1974年秋に「銀河テレビ小説」枠で放送された『黄色い涙』のことだろう。原作は、青春マンガの巨匠と呼ばれた永島慎二が『週刊漫画アクション』に連載した『若者たち』。主人公を演じた森本レオが原作に惚れ込み、駆け出しの脚本家だった友人の市川森一に脚本を書かせてNHKへ売り込んだのがきっかけ。

 66年にフジテレビが田中邦衛らの出演でつくった同タイトルの作品があったために、永島が自作のシリーズ名として使っていた『黄色い涙』がタイトルになった。

 マンガ家・村岡のアパートに突然転がり込んだ3人の若者たち。詩人、画家、ミュージシャン…。みんな夢だけは大きいが、貧乏で、孤独で、運にも見放されている。そんな彼らの日常のさりげないドラマをセンチメンタルに描いた作品。ドラマでは森本のほかに、岸部シロー、下條アトム、長澄修が4人を演じ、児島美ゆきが行きつけの食堂の店員役で出ていた。

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