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【阿部亮のつぶやき世界一周】乳酸は疲労を回復する物質だった… 自分に起こった「常識を疑え」の実例

 高校の体育の授業で「乳酸」について学んだ。運動によって筋肉を強く動かすと、グリコーゲンやブドウ糖が消費されるとともに、乳酸が生成され、それが筋肉を酸性にしてしまうため、筋肉が硬くなり痛みや疲労が残ってしまうという内容だった。

 この授業を受けて以降、つい最近まで私は「乳酸は悪!」という常識を信じ込んでいた。だが最近通いはじめたジムで、この話は「大間違い!」と教えられて唖然(あぜん)とした。

 実はこの説は今から100年以上も昔、英国のケンブリッジ大学でカエルに電極をつないで強制的に運動させる実験で、筋肉に乳酸が蓄積されていることが発見され、「筋肉疲労には乳酸が関わっているのでは?」との推測が発端だ。

 その後の実験で、疲労した筋肉中に乳酸が増えている→乳酸が筋肉を疲労させる→乳酸は疲労物質という形に変化。単なる実験結果で因果関係は不明なのだが、ナゼかこの説が定説化してしまい数十年が経過した。

 1990年代に入って、乳酸の効果を調べるため、一方のマウスには乳酸を投与、他方には何も与えずに運動させる実験を行った結果、乳酸を与えた方がより元気に運動を継続できた。つまり「乳酸は疲労回復物質」だった。その後の研究で、筋肉疲労や痛みの原因は、運動によって傷ついた筋線維や周りの組織を修復しようとするときに「筋肉をこれ以上使わないで…」と、筋肉が痛みの形で訴えていて、その修復に乳酸が関わっているという説が有力になった。

 「常識を疑え」の実例が、私自身に起こったことに驚いた。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。

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