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【超かんたん!図解で認知症予防】脳を鍛えるコツ、おもしろいことを仲間と一緒に 「他人をほめる」のもいい脳トレ

★総括編(2)

 --多くの患者さんを見ていて、脳を鍛えるためのポイントは何だと思われますか?

 朝田隆・メモリークリニックお茶の水院長 おもしろいと思えること、継続できること、仲間がいること。この3つが大事です。どんなに良いプログラムでも継続できなければ意味がありません。継続のエネルギー源はやはり、「おもしろい」でしょうね。嫌々ながら義務感でやるものは続きません。認知症は集中力がなくなる病気です。それまで大好きだった趣味をしなくなってから認知症が急に進行するということはよく見られます。集中力が低下して長年の習慣が一度すたれてしまうと、再開するのが難しくなります。

 「おもしろい」の代表格「飲む・打つ・買う」、これは脳を活性化します。ギャンブル性のあるものは文化を問わず楽しいものです。とはいえ公序良俗を考えると推奨することはできませんが(笑)。

 --介護施設を舞台にした昨年のドラマ「やすらぎの郷」でも麻雀卓を囲むシーンがよく流れました。

 朝田 やはり損得勘定がからむと、頭がシャキッとするのですね。あとは歌舞音曲も効果的です。多くの民族にとって歌や踊りは老若男女問わず楽しいものです。特に女性は踊ることが好きな人が多いですね。それも、ただ歌ったり踊ったりするだけよりも点数をつけて自分の進歩を可視化すると皆、より積極的に参加するようになります。

 たとえ最初はお仕着せのメニューであっても、工夫次第でやっているうちに楽しくなる、ということが確かにあります。それが「おもしろければ継続できる」のポイントです。

 --競い合うことも継続のポイントなのですね。

 朝田 勝負や競争をするには相手が必要です。趣味やトレーニングも一人ではすぐ折れてやらなくなります。でも、仲間がいれば仲間の手前、仕方なくでもやるんです。最初はしぶしぶでも、やっているうちに楽しくなることがあります。それが連載で紹介した「作業興奮」という脳のはたらきです。

 また、誰かと一緒に何かをやるときに、「エチケットとして他人をほめる」のもいい脳トレになります。ほめるためには相手をよく観察して的確にほめなければなりません。それだけでも脳への刺激になりますし、ほめる・ほめられる=うれしい・楽しい、そのワクワク感が継続を助ける力になるのです。

 ■監修・朝田隆 1955年生まれ。メモリークリニックお茶の水院長、東京医科歯科大学医学部特任教授、医学博士。数々の認知症実態調査に関わり、軽度認知障害(MCI)のうちに予防を始めることを強く推奨、デイケアプログラムの実施など第一線で活躍中。『効く!「脳トレ」ブック』(三笠書房)など編著書多数。