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【BOOK】仏教の難問「僧侶の性欲」に再度向き合う 玄侑宗久さん『竹林精舎』 (1/3ページ)

★玄侑宗久さん『竹林精舎』(朝日新聞出版、1800円+税)

 直木賞作家→芥川賞作家の“リレー”とは豪勢じゃないか。東日本大震災を「遠景」に4人の若者の姿をリアルに描く青春小説が話題を呼んでいる。福島県在住の僧侶である著者だからこその7年越しの力作だ。(文・南勇樹 写真・篠原知存)

 --道尾秀介氏の『ソロモンの犬』の登場人物4人の「その後」を描くというスタイルは珍しい

 「(ソロモンの犬の)4人の登場人物の明るい雰囲気がとても気に入っていたんです。読み終わった後に、『彼らの人生はどうなってゆくの?』と考えたら切なくなってね。震災の3日前に道尾さんに会って、OKをもらいました。あまりないケースでしょうけど、芥川(龍之介)の小説の続きを谷崎(潤一郎)が書いたこともあるそうですよ」

 ■東日本大震災「遠景」に

 --その後、東日本大震災が起こる。小説では発生から3年、バラバラになっていた4人もそれを機に再びつながってゆく

 「実際にそうしたことがたくさんありました。震災を機に旧友たちが再会したりね。ただ、震災はあくまで『遠景』、おどろおどろしい描写は避けたかった。発生から3年後というと、メディアも『明るいニュース』は取り上げにくい雰囲気があったと思いますが、出生率や婚姻率が急増したニュースはあまり報じられない。だけど、『不安が促す恋愛』もあるし、そこで生きる人々には、ある意味で、放射能よりも大きな人生の問題があると思う。当面の生活とか恋愛とかね」

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