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【BOOK】仏教の難問「僧侶の性欲」に再度向き合う 玄侑宗久さん『竹林精舎』 (2/3ページ)

 --男性の若者は2人とも出家する

 「“こっちの土俵”に引っ張り込んじゃって申し訳ないけど、彼らを出家させて福島に来させてみたかった。(主人公の)秋内は、27歳で京都の道場で修業を3年間で終える設定。私の場合は、27歳で道場に入りました。秋内より、もう少しふらふらしてましたけどね」

 --お寺の経営や僧侶の性欲の問題にも斬り込んでいる。秋内が住職になる竹林寺は檀家が60軒しかない

 「相当に厳しいでしょうね。こうした規模なら他の寺を手伝いながら一時的な謝礼などでやりくりするしかない。基本給・手当といった話も書いていますが“坊主丸もうけ”なんて昔の話ですよ。今は僧侶も宗教法人の従業員で、給料には所得税がかかりますから。ただこの規模の寺なら、定額の給料を出すのも難しい。今後、若い彼らがどう乗り越えていくか、も書いてみたいですね」

 「僧侶の性欲の問題は大きなテーマです。日本に最初にやってきたのは妻帯、肉食を禁じていた仏教でしたが、でも、もし全員が坊さんならば社会は続かないわけでしょ。(妻帯した)親鸞は完全に反逆したというか、開き直った、性欲こそ自然(じねん)じゃないのか、と。この問題は仏教として、うまく理論化されていないと思いますし、私の中でも、答えが出ていない。だからこそ(『27歳童貞』という設定の)若者に、もう一度ちゃんと対面させてみたかったのです」

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