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【BOOK】仏教の難問「僧侶の性欲」に再度向き合う 玄侑宗久さん『竹林精舎』 (3/3ページ)

 --発刊後に道尾さんと対談していますね

 「『(登場人物が)生きている』と喜んでくださった。ただ『上書きされてしまいました』とも話されていたので、少しは悔しい気持ちもあったのかもしれませんが…」

 --小説を書くという行為は禅に重なる、と

 「お寺の仕事が忙しいので、小説はなかなか進まないのですが、ラストに向かってゆくと、自分が書いている気がしない、私の中を通過してゆく感じなんですね。苦しいけど至福のときが待っている。禅の至福感と似ていると思います」

 ■あらすじ 東日本大震災を「遠景」にして、ふたたびつながりをもった4人の若者たちの恋愛、仕事、苦悩を描く。放射能の問題や津波の後遺症、風評被害に苦しめられながらも、「日常」を生きている人々がそこにはいる。お寺の経営問題や僧侶の性欲などにも斬り込んだ意欲作。直木賞作家・道尾秀介氏のミステリー『ソロモンの犬』の登場人物の「その後」をトレースした物語にもなっている。

 ■玄侑宗久(げんゆう・そうきゅう) 作家。1956年、福島県生まれ。62歳。慶応大卒、京都天龍寺専門道場に入門し、現在は臨済宗妙心寺派福聚寺住職をつとめる。2001年『中陰の花』で芥川賞受賞、14年『光の山』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。禅や仏教に関するエッセーや対談本も多い。11年から、東日本大震災被災青少年支援のための「たまきはる福島基金」理事長。

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