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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】在宅医療の新時代へ“気付く”技術の追求 医療法人社団やまと理事長・田上佑輔さん (1/2ページ)

★医療法人社団やまと理事長・田上佑輔さん(38)

 宮城県北部。岩手県と接する登米(とめ)市は、人口8万人を擁する穀倉地帯だ。

 ここに本部を置く「医療法人社団やまと」は、2013年の開設。在宅診療をメーンにした医療提供を展開している。

 理事長の田上佑輔医師は、東大医学部を卒業後、腫瘍外科医として、がんの手術に明け暮れる日々を送っていた。

 しかし、2011年に発生した東日本大震災を受けて被災地に入ったことから、現地での、在宅医療の永続的な提供態勢構築の必要性を感じ、法人開設に踏み切った。

 登米だけでなく大崎市、東京都板橋区と川崎市中原区、横浜市日吉にも診療所を開設。東京の医師が交互に宮城に出向いて、安定的な医療提供ができる仕組みづくりを進める。

 田上医師自身は、住居を登米市に移し、宮城と川崎のクリニックを行き来しながら、双方にいる800人の患者の診療に当たっている。

 外科医から在宅医という、医師として“180度の転換”を図った田上医師が、理事長として法人のテーマに掲げるのが「気付き」だ。

 「いい在宅医ってどんな医者だろう…って考えた末に行きついたのが、“いい気付きのある医者”だったんです。一人の患者を診て、会話をする中で、医師が何に気付けるか-によって、患者の生活の質はもちろん、寿命も変わってくるはず。科学的根拠とか、症例数とか、大学の医者が気にする要素とは別次元の“技術”が、在宅医療では重要なのだろう、と」

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