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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】“東京ドリンク”こだわり進化 「ホッピー」が本格的ビールテイストになった理由 (1/2ページ)

★東京都ホッピー(下)

 誕生から今年で70年になるホッピーは、ほぼ東京だけで飲まれている飲料だ。とくにホッピービバレッジ本社のある赤坂周辺は、居酒屋だけでなく、イタリアンや中華、メキシコ料理など様々な店でホッピーが飲める「聖地」でもある。

 戦後の焼け跡で産声を上げたホッピーは、闇市で「バクダン」や「カストリ」といった粗悪なアルコールに混ぜて飲むと、臭い酒もおいしく飲めると大ブレークした。

 高度経済成長期に入ると、いったん人気は低迷するが、70年代後半から団塊の世代の支持を受けて再ブレーク。1981年には、日に20万本を売り上げるピークに達するのである。

 だが、その後サワーブームが到来し逆風に見舞われると、2代目社長(現会長)の石渡光一氏は、調布の工場にビールメーカーと同じ設備を導入。そして大手ビールメーカーOBを技術顧問に迎え、新たな酵母をドイツ最高峰のラボから取り寄せるなど、中身のブラッシュアップを図った。以後ホッピーの味はガラリと変わり、現在の飲みやすい本格的なビールテイストになった。

 さらに95年には、地ビール事業にも着手。この地ビールが、ホッピーの人気低迷を支えたと同時に、現在の社長で光一氏の一人娘、石渡美奈さんの入社を決意させた。当初彼女は、ホッピーには興味がなかったが、ビールならつくってみたいと思ったらしい。