記事詳細

【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】インスタ映えするクラフトビール その裏で業界騒然、大手メーカー参入に賛否両論 (1/2ページ)

★東京都スプリングバレーブルワリー(上)

 2014年、キリンビールが発表したスプリングバレーブルワリーの新規事業。大手メーカーが本格的にクラフトビールをつくっていくという構想に、業界は騒然となった。

 「大手が中小クラフトビールのシェアを取りに来た」と警戒する者、「これでクラフトビール業界が活性化する」と歓迎する者、賛否両論で今もその論争はくすぶっている。真意を確かめるため、スプリングバレーブルワリー東京で、事業を立ち上げた吉野桜子さんに話を聞いた。

 代官山にあるスプリングバレーブルワリー東京は、醸造設備のあるビアレストラン。気持ちの良いテラスもあり、休日には行列ができる人気店だ。来客者は欧米人や若い女性のグループが多い。とくに女性は、ビールや料理の写真を撮ることに余念がない。カラフルなビールにボリュームのあるグリル料理は、たしかに“インスタ映え”する。

 「開店以来、大がかりな宣伝はしていません。皆さん思い思いにSNSにアップしてくれて、口コミでお客さまが増えています」と吉野さん。

 ビールが大好きで入社した吉野さんは、マーケティングや商品開発の仕事をしていた。そこで若者のビール離れを実感する。「ビールはおいしいし楽しいお酒なのに、なぜそれが今の若者に伝わらないのだろう?」

 昔のビールは、スーツにネクタイをしたサラリーマンが、真夏の仕事帰りに、夕方グビグビと飲むものだった。それが今、夏はクールビズでスーツもネクタイも減った。女性の社会進出も進み、サラリーマンは男性だけではない。飲酒シーンも変わり、昼間に友人と料理を楽しみながら、お酒を楽しむ人も増えている。