記事詳細

【ドクター和のニッポン臨終図巻】決して諦めなかった中尾翔太さん 最後まで前向きに「これからもくじけずに必ず勝ちます」 (2/2ページ)

 中尾さんが体調不良を訴えたのは、昨年末。そして今年3月、活動休止を発表します。それからわずか4カ月…詳しい報道はされていませんが、スキルス胃がんだったのではと想像します。

 胃がんの約1割がスキルス胃がんです。スキルスは「硬い」という意味。がんの塊ができるのではなく、胃袋を貫くように増殖していくことが特徴です。また胃粘膜の下をはうように浸潤していくため胃が硬くなります。通常の胃がんと同様に胃が痛い、食欲が落ちた、痩せた、胸やけするという人はためらわずに専門医による検査を受けてください。

 内視鏡検査で鳥肌胃炎と診断された人は、胃がんリスクが高いことがわかっています。ぜひピロリ菌の除菌治療を受けてください。

 中尾さんもがんが見つかった時には、かなり進行した状態だったと想像しますが、彼は決して諦めませんでした。最後のブログ更新は4月27日。「これからもくじけずに必ず勝ちます。完全復活待っていてください」と前向きな言葉で締められています。

 7月14日の野外音楽イベントで、FANTASTICSは中尾さんの死後、初のステージに立ちました。

 「皆さんの目に見えるのは8人かもしれないが、9人を感じてもらえるように、翔太の魂や気合…しっかり見せていきたい」とリーダーの世界さんが宣言。中尾さんの魂は仲間とともにステージに再び上がったのです。これも一つの、復活の形ではないでしょうか。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。近著「薬のやめどき」「痛くない死に方」はいずれもベストセラー。関西国際大学客員教授。

関連ニュース