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【阿部亮のつぶやき世界一周】キツネはなぜペットにならないの? ペット化拒む根本的なワケ

 先日、札幌市を旅行した知人が、街中の公園でキタキツネの親子を見かけたとのことで「そういえば、キツネを飼っている人の話を聞かないけど、なぜなの?」と質問された。

 北海道に住んだことがある人は皆、「エキノコックス症」(キツネのふんを媒介とした寄生虫に感染すると、深刻な肝機能障害が引き起こされる人獣共通感染症)の問題があるので、キツネを見かけても「決して近づいてはいけない!」と教育されている。なので、野生のキタキツネは、ただ近所に住む野生動物として、ペットにしようなどとは思わない。

 ただ、キツネはオオカミやクマなどのように特定動物に指定されているわけではないので、飼いたいと思えば、特別な届け出や許可は不要で、いつでも飼える動物。

 だから、「犬・猫のように病害虫の駆除や各種の予防接種をすれば飼えるはず?」と思うと、キツネにはペット化を拒む根本的な理由があった。

 狼や犬は、集団で狩りや子育てを行う社会的な動物で、順位や序列に従う本能があり、人もその序列に加えることができる。これに対して、キツネは母親と少数の子供だけで群れずに生きる血族社会で、家族以外は同族を含めすべて敵か餌。なので、DNAレベルで誰にもなつかない。

 古来日本では、キツネはお稲荷(いなり)さんとして、神の使いや、神そのものとして信仰の対象になってきた。それは常に人の身近に存在しながら、決して犬・猫のように家畜化しない、孤高の存在だったからかもしれない。

 同じ身近な野生でも、ナゼか狸は神にならなかった…。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。

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