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【BOOK】島本理生さん「男女の認識の差、すれ違いを小説の中で描ければ」 直木賞受賞作『ファーストラヴ』 (1/3ページ)

★島本理生さん『ファーストラヴ』文藝春秋 1600円+税 

 17歳で本格文壇デビューした少女作家は、妻となり母となって、作品の主人公も繊細な少女からアクティブな女性へと成長を遂げた。その間、4回の芥川賞候補を経て2回目の直木賞候補、そして今回ついに「ファーストラヴ」で直木賞を受賞した。晴れの贈呈式を前に心境を聞いた。(文・竹縄昌)

 --おめでとうございます。忙しいのでは

 「わりと落ち着いているかもしれないです。デビューして18年経つので、その間に結構忙しかった時期が何度かあったし、その経験が生きて焦らずにいられるのかなと思います」

 --受賞の実感は

 「受賞が決まるまでは長いと感じていたのですが、いざ受賞が決まったらああ、今でよかったと。若い頃は、書きたいことが書き切れていなかったりしましたから」

 --18年。ご自身と作中人物の変化は

 「女性は数年、年が違うだけで考え方も違います。やはり極力主人公と近い方がリアリティーがあると思います。また、出産も大きかったですね。女性のたくましさを実感するようになり、そこをもっと書いていっていいと思いました。母となり思春期のナイーブな感性は遠くなってしまいましたけど」

 --芥川賞、直木賞合わせて6回も候補に

 「その都度、感情的に落ち込んだりする波はありましたが、自分が何を書いていくのがいいか、見つめ直す大きなタイミングだったと思います。正直、候補になる作品によって緊張感に差がありました。どれも大事な作品ですが、どちらかというと習作的な作品もありました。でも、最初に直木賞候補になった『アンダスタンド・メイビー』と今回の『ファーストラヴ』はかなり力を入れた小説だったので、今回は決まってほしいなと思ってました」

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