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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】手に入らないなら自分たちで植えよう! こだわり抜いた地元産「山田錦」 (1/2ページ)

 ★佐賀県東一(上)

 広大な佐賀平野を擁する佐賀県は、九州有数の米どころだ。ここに米にこだわり続けて30年の酒蔵がある。長崎県にほど近い、嬉野市にある五町田(ごちょうだ)酒造だ。醸しているのは銘酒「東一(あずまいち)」。肥前鹿島駅の改札で、瀬頭一平社長が出迎えてくれた。

 「ちょうど最後の田植えが終わるところなので、見ていきますか?」と瀬頭社長。訪ねたのが6月末だったので遅い田植えだが、この地で山田錦を作付けするため、試行錯誤して考え出されたスケジュールだという。そう、五町田酒造は1988年、佐賀で初めて山田錦づくりに挑戦した酒蔵で、東一は全量地元産の山田錦でつくられているのだ。

 山田錦の前は、九州の酒米である西海134号で大吟醸をつくっていたが、なかなか鑑評会で金賞が取れなかった。だが山田錦は手に入らない。それなら自分たちで山田錦を植えよう! と当時としては無謀な取り組みを始めたのだ。なぜなら、山田錦は栽培が難しく、兵庫県の気候風土でなければ良い米にならないとされていたからである。

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