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【ドクター和のニッポン臨終図巻】菅井きんさん、大好きな“肉食”貫いて平穏な最期 (2/2ページ)

 歩けなくなると、「介護施設か、自宅か」で悩む人は多いのですが、家族と適度な距離感を保ちながら、積極的にリハビリや外出をし、「介護施設も、自宅も」というライフスタイルは理想的だと思います。

 4年前、88歳のときには、老人ホームでの生活ぶりをテレビで公開し、世間を驚かせました。

 当時女性誌などで認知症という報道があったことに対し、「腹が立ちました。弱い者いじめだと思って」とはっきりと否定されていました。この番組内でも、施設内のレストランで大好きな肉料理(しかも厚切り)を食べる映像が流れていましたが、亡くなる2カ月前まで“肉食”生活は続いたようです。そして最期は自宅で、家族に見守られながらの平穏死だったそうです。

 年を取ったら粗食か? 肉食か? は誰しも気になるテーマです。タンパク質不足が寿命を縮める要因になり、認知症のリスクになることもわかっているので、やはり肉食に軍配が上がるでしょうか。

 しかし80歳を過ぎたあたりからは、「健康のために食べねばならぬ」という発想を捨て、好きなものを好きな時に食べるのが、一番かと思います。

 菅井さんも長生きのためではなく、大好きだから肉を食べていたわけです。日々明るく過ごし、好きなことだけする…それが92歳までお元気だった菅井さん流健康法とお見受けしました。

 ■長尾和宏(ながお・かずひろ) 医学博士。東京医大卒業後、大阪大第二内科入局。1995年、兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。外来診療から在宅医療まで「人を診る」総合診療を目指す。近著「薬のやめどき」「痛くない死に方」はいずれもベストセラー。関西国際大学客員教授。

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