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【中原英臣 あの医療情報ウソ?ホント!】サマータイム導入、健康上のリスク検討を 睡眠不足症候群や心筋梗塞のリスクも

 今年の夏は日本列島を記録的な猛暑が襲いました。7月23日には埼玉県の熊谷市で41・1度という日本歴代最高気温を記録しました。東京も8日連続で猛暑日が続き、1875年に観測を開始して以降の最長記録となりました。

 こうしたことを受けて、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が、7月27日に安部晋三首相に東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせてサマータイムを導入するよう要請しました。

 夏時間とも呼ばれるサマータイムは、夏の時期に標準時を1時間進めた時刻を用いるという制度でアメリカ、EU諸国、オーストラリアなど約70カ国で実施されています。日本もアメリカの占領下にあった1948年に導入しましたが1952年に廃止しました。ロシア、韓国、中国なども一度は導入しましたが、現在は廃止しています。

 サマータイムについては社会的な問題も指摘されていますが、健康面での問題について考えてみます。サマータイムには戸外での運動が増えるといった利点もありますが、睡眠時間が減少することで起きる睡眠不足症候群のリスクもあります。

 人間の眠気にはリズムがあり、昼の2時くらいに眠気が高まりますから、日中に多少の眠気を感じるのは自然ですが、我慢できないほどの眠気があるようなら、睡眠不足症候群の可能性があります。

 日本睡眠学会は2008年の報告書で、サマータイムには効果より弊害が多いとしています。人間の体内時計は慣れるまでに数週間かかるので、ストレスによる心筋梗塞のリスクがあります。ロシアは心筋梗塞が増えたためにサマータイムを廃止したようです。

 東京オリンピック・パラリンピックの猛暑対策として導入するサマータイムは1時間でなく2時間が検討されているようですが、政府はサマータイムを導入する前に国民の健康上のリスクについて十分に検討してほしいと思います。(山野医療専門学校副校長・中原英臣)

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