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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】“クリアで柔らか”27代目の挑戦 骨太な味わい「飛良泉」に新風 (1/2ページ)

★秋田県「飛良泉」(下)

 秋田の銘酒「飛良泉(ひらいづみ)」を醸す飛良泉本舗は、創業520年の老舗で、現在の斎藤雅人社長で26代目となる。東北では最古の、全国でも3番目に古い造り酒屋だ。酒はゴツくて骨太な山廃。それを支えているのが、日本海に面した蔵に湧く、ミネラルたっぷりの仕込み水なのだ。

 この長い歴史と伝統を背負った蔵へ、今年4月、ひとりの青年が帰ってきた。斎藤社長の長男、斎藤雅昭専務だ。会ってみると、180センチ以上ある長身で、テレビドラマの主役が張れそうなイケメン。明治元(1972)年建設の重厚な蔵の中で、彼の周りだけキラキラと華やいで見えた。

 斎藤専務は東京の大学で経営を学んだ後、7年間、テレビのCSチャンネルの広告営業をしていたという。

 「つくりより、売り方をしっかりやりたいと思ったので。東京の速いスピード感や、テレビ広告の最新感を時代に合わせた商品づくりに生かしていきたいです」

 家業を継げと強制されたことはなかったが、ずっと祖父と父の背中を見て育った。二十歳になって初めて自分の蔵の酒を飲んで、素直に美味しいと実感。今は、コミュニケーションツールとしてのお酒に魅力を感じている。

 「お酒って、人生に絶対必要なものじゃない。でも、ないと寂しいですよね。そこがテレビと通じるところがある。私はお酒をひとつのエンターテインメントと捉えています」

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