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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】『君の名は。』聖地で極上昼酒 岐阜県「蓬莱」 (1/2ページ)

★岐阜県「蓬莱」(上)

 名古屋から北陸へ向かう特急に乗り換え、2時間40分。その間、車窓には清らかな川が流れている。宮トンネルを越えると流れは逆に変わる。ここが位山(くらいやま)分水嶺で、太平洋側への流れはやがて長良川になり、日本海側への流れは神通川になるのだ。

 乗客は飛騨高山駅でほとんどが降りてしまい、車両には私一人取り残され、不安いっぱいだ。だが目的地の飛騨古川駅に到着すると、どこか見覚えのある懐かしい景色。そういえば、ここはアニメ映画「君の名は。」の聖地だったはず。駅や図書館、神社などが、作中に登場するということで、一躍有名になった町なのだ。

 駅には銘酒「蓬莱(ほうらい)」の蔵元、渡辺酒造店(飛騨市古川町)の渡邉隆さんが迎えに来ていた。体格が良く、いつも明るく元気いっぱいだ。もう一人、同社の法被を着た外国人の男性がいた。彼が蔵人のダリル・コディーさんで、米ユタ州出身。妻の故郷・古川に移り住んだ当時は、日本酒が米からできていることも知らなかったが、たまたま出ていた求人広告に応募したのだという。酒づくり歴は8年だ。

 さあこれから蔵へ行って取材だ、と身構えていたら連れて行かれたのはなぜか蕎麦屋。その店構えはもちろん、町のたたずまい全体が、古い町屋を保存していて美しい。高山のように観光化していないぶん、落ち着いていて素敵だ。

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