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【BOOK】直感的に結びついた“カンボジア”と“ゲーム哲学” 小川哲さん「ゲームの王国」 (1/3ページ)

★小川哲さん『ゲームの王国』早川書房・上下巻各1800円+税

 デビューから2作目の長篇で昨年のベストSF国内篇第2位に輝き、吉川英治文学新人賞候補を経て今年、山本周五郎賞を受賞した。カンボジアの過去と未来を描いた本作に描かれたものとは。 (文・竹縄昌 写真・鴨川一也)

 --カンボジアを舞台にした理由は

 「カンボジアというよりは、東南アジアの途上国を舞台にしようとの話はありました。しかし、途上国は舞台にしづらいんです。なぜかというとSFのオーソドックスな話は未来の科学技術を扱うものが多く、それらは先進国で開発され、利用されますから」

 「ですので、途上国で未来の技術を使うと説得性がなく、そこで仕掛けが必要になります。それがちょっとした難しさで、東南アジアを舞台にしたSFはあまりないのだと思います」

 --ではテーマよりも先にカンボジアが決まった

 「そうですね。前からアジアについて調べたいと思っていたので、それも大きな理由ですね。しかし僕はもともと理系、東南アジアを書こうとしたときその歴史を知らなかったんです。そんなとき、カンボジアにNPOで行っている友人と教育関係の仕事をしている友人が2人いたんです。彼らから学んだことは興味深かったですね」

 --どのあたりが

 「まず、ポルポト時代のクメール・ルージュが統治したときのカンボジア自体がある意味でSFみたいな世界なんです。これは書くべきだ、書いたら面白いと思いました」

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