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【阿部亮のつぶやき世界一周】台風で高潮はナゼ起こる? 「低い気圧+大潮+雨水+暴風」の複合技

 台風21号の高潮で「関西空港が冠水」のニュースには驚いた。

 しかし、1934年の室戸台風(最低気圧912ヘクトパスカル、死者・行方不明者約3000人)、45年の枕崎台風(最低気圧916ヘクトパスカル、死者・行方不明者約3800人)、59年の伊勢湾台風(最低気圧895ヘクトパスカル、死者・行方不明者約5100人)のように、暴風・豪雨関連よりも高潮による沿岸地域への浸水や家屋の流出による水死や行方不明が被害を甚大化させた大災害は過去にも発生している。

 台風の高潮は、どのような仕組みで起こるのか?

 (1)大気はその重さで地球上のすべてのモノを押していて、通常の1気圧(1013ヘクトパスカル)の海面では、1平方センチメートル当たり1キログラムの力で海面が押されている。気圧の低い台風が接近すると、1ヘクトパスカル当たり約1センチメートル海面が上昇。例えば伊勢湾台風895ヘクトパスカルと1気圧の差で、約120センチメートルが台風の中心付近数十~200キロメートル程度の範囲で盛り上がる。

 (2)海面は月と太陽の引力の関係で、1日2回の潮の干満と半月ごとの大潮を繰り返していて、大潮の満潮時は通常よりも約2メートル海面が上昇する。

 (3)台風の豪雨によって集まった膨大な雨水は、河川から海に排出されるハズだが、(1)(2)などの効果で海面が高いと河口や湾岸付近に滞留してしまう。

 (4)それらの膨大な水が、台風の暴風(時速150~300キロメートル)で、湾岸や河口に吹き寄せることで高潮が発生する。

 伊勢湾台風でも、暴風・豪雨の中、海水が押し寄せて数時間も留まったために、大規模な高潮が人を建物ごと水没・流出させた。

 ■阿部亮 北海道札幌西高等学校卒業。19歳で陸路を世界一周。ニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のメインパーソナリティ。ミャンマー、ネパール、カンボジア、ブルキナファソ(西アフリカ)に12校の学校を建設している。

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