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【飯田達哉 酔いどれ師匠の酒場探訪】花街路地裏の骨太ロックバー テキサスフラッド(東京・荒木町)

 ★テキサスフラッド(東京・荒木町)

 最終回は自分にとって懐かしい街、東京・荒木町へ。荒木町を南北に走る3本の道路、その真ん中になるのが一番細い「柳新道通り」。そこを歩いていると、路上にギターのストラトキャスターが。骨太のブルースロックを聴かせるバー、「テキサスフラッド」の目印だ。

 ギターの横には狭くて急な階段。登り詰めて右手の重々しい木のドアを開けると…、内臓がしびれるような重低音! JBLのスピーカーから力強いギターのフレーズが響き渡る。

 右手にテーブル1つ、木のカウンターに10席。その向こう側には団塊の世代と思しき男性が1人。自らドラムも叩く関根章マスターだ。ロックバーのマスターでドラマーといったらえらくコワモテの人物を想像しそうだが、関根さんはいたって物腰柔らかい紳士。初めて店に入っても「いらっしゃいませ」とにこやかに、あいさつしてくれるはず。

 路上のストラトキャスターと店名で、ロック好きならピンとくるはず。「テキサスフラッド」というのは、テキサスのブルースロックギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーン(SRV)の代表曲名なのだ。関根さんは、もともとレコード制作・販売会社のサラリーマンだったが、53歳の時に脱サラ。大好きなSRVの曲を店名にして、ブルースロック中心のバーのマスターになったわけだ。

 食べ物は乾き物にチーズ程度だが、飲み物はやはりロックバーらしくバーボンなどウイスキー中心。最近ではアメリカ西部開拓のフロンティアスピリットを感じさせるバーボン、「バッファロートレース」(750円)がお勧めとのこと。

 かかる音楽はマスターがその日の気分で決め、基本的にはリクエスト禁止。しかしマスターとロック談義しているうちに「それ、かけてみようか」ということもある。とはいってもプログレやビートルズなどはさすがにNGだ(笑)。ちなみにロックバーというと紫煙もうもうを想像するかもしれないが、こちらは最近マスターが健康を考えて禁煙にした。愛煙家の皆さんはご容赦のほどを。

 ロックと酒を堪能してお会計。この時、マスターからとってもうれしいプレゼントがいただけるはず。何かはぜひ自分で行って確かめてほしい。それでは皆さん、今宵も酔い酒を! =おわり

 ■東京都新宿区荒木町7 丸山ビル2F (地下鉄四谷三丁目駅から徒歩5分)/(電)03・3351・2969/営業19時頃~23時半頃/土・日・祝日休/予算=1人1000~3000円(チャージ500円)

 ■飯田達哉(いいだ・たつや) 1956年7月18日生まれ。スポーツ専門誌編集長を経て編集プロダクション「オフィス・トライアイ」を設立。スポーツ、酒、落語、吟剣詩舞などおもに趣味の分野の執筆・編集に携わる。著書に『日本酒日和』『三師匠 落語訪ねて江戸散歩』(ともに舵社刊)など。

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