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【大崎裕史 麺喰いにつき】進化していく喜多方ラーメン 東京ラーメンショーにも出店「あじ庵食堂」

 喜多方で比較的(ここ10年以内)新しめのお店を回ってきた。高齢化による後継ぎ問題や人材不足で老舗の閉店も続々出てきてしまいそうな「ご当地ラーメン問題」。そんな中での若い世代の活躍はうれしい。

 「香福」(2012年7月オープン)。喜多方でも1、2を争う行列人気店「坂内食堂」で長い間修業していた人が独立。だいたい同じような作り方をしているが今風に少しアレンジしているとか。ちょっと醤油の色が濃いめだが修業先と同じ方向性。「坂内食堂」の長い行列に並ぶか、こちらに行くか? 選択肢が増した! ちなみに「坂内食堂」の息子さんの店「坂新」が会津若松と新潟にある。

 「満喜」(今年6月9日オープン)。私も大好きでかなりの行列ができる「喜一」という店がある。今回も行こうと思っていたが駅で偶然店主とお会いし、その日が臨時休業だと知る。今、店は娘が受け継ぎ、息子は味を変えて独立したのがこの店。暖簾(のれん)に「我流」と書いてあるほどの意地っ張り。男というものは、オヤジに反発しがち。だからこその「我流」なのだろう。親子の不仲を心配したが駅で会ったお父さんから「これからお前の店に大崎さんが行くみたいだぞ」と連絡が入っていたらしく、疎遠ではないようだ。醤油ラーメンは喜多方風に言えば「じとじとラーメン」、東京風に言えば「背脂チャッチャ系」。

 「うめ八」(14年10月オープン)も前にあげた「香福」も「坂内食堂」出身で修業期間が長かったという話だがこちらはさらに長く、修業歴18年。しょうゆと塩がある時点で「坂内食堂」とは違っているが塩の方は少し「坂内食堂」を感じる。でも店主に聞くと「かなり変えましたけどね」とのこと。喜多方ラーメンもどんどん変わっていってるということでしょう。新しい店にも期待したい。

 「あじ庵食堂」(08年8月8日創業、15年11月移転オープン)は昨年、今年と「東京ラーメンショー」にも出店! 平日は基本メニュー以外にもいろんなラーメンを出しており、「ラーメンのデパート」並み。地元の人向けにいろいろとメニューを開発している。基本の醤油らーめんと限定で出していたが好評につき定番メニューとなった「山葵潮ラーメン」の2種類を食べた。基本の醤油は一般的にイメージされる「喜多方ラーメン」に近いのではないだろうか。実においしい。これぞ喜多方ラーメン! と思える。潮はシジミを使ったオリジナル。長い間育まれた文化を守りながら新しいことにもチャレンジ。喜多方の食べ歩きは楽しい!

 ■ラーメン耳寄り情報

 あじ庵食堂(喜多方) 若くて勢いのある店主の店。定番メニューはもちろん、限定メニューも幅広く提供。「ご当地ラーメン」の未来を感じさせてくれる一軒。

 ■大崎裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2018年2月現在で1万2300軒、2万5000杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役、日本ラーメン協会理事。Webおよび携帯の「ラーメンバンク」を運営している。

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