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【寿命を延ばす“食と成分”大研究】加齢とともに衰える腸 足りない食物繊維は海藻で補う (1/2ページ)

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 近年、腸内環境を整えることが病気予防につながることが注目されている。食事の摂り方により、600兆個ともいわれる腸内細菌のバランスを整えることが重要になる。また、腸のぜん動運動は、加齢とともに衰えるため腸を動かしやすくすることも大切だ。これらのいずれにも不可欠となるのが「食物繊維」である。

 「腸内環境を整えるためにヨーグルトなどに含まれる乳酸菌を意識する人は多いのですが、食物繊維は足りていません。野菜の量も不足している。健康を維持するには食物繊維をもっと意識しないといけません」

 こう話すのは、東海大学医学部付属東京病院の西崎泰弘病院長。抗加齢医学の臨床研究を長年行っている。

 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では食物繊維の目標量は、18~69歳の男性で20グラム/日以上、女性で18グラム/日以上。ところが、2016年の「国民健康・栄養調査」によると、食物繊維摂取量の平均値は約14グラム/日と、全く足りていない。食物繊維を多く含む野菜の摂取量も平均値は276・5グラムで、国民の健康づくり運動「健康日本21(第2次)」の目標値の350グラムに及ばない。

 「腸機能の衰えは、便秘といった不調で知ることができます。女性は若い頃から便秘の方が多いのですが、男性は50代と比較して60代で2倍、70代でさらに倍増するのです。食物繊維を食べることを考えましょう」

 1日3食に小分けにすると、1食あたり120グラム以上の野菜が目標となる。小皿のサラダやホウレンソウのお浸しなどの小鉢では足りない。煮物、炒め物、スープなど、大皿で食べる野菜を1~2品足す必要がある。野菜嫌いな人にとってはやっかいだが、健康のためには、野菜をふんだんに取り入れたメニューが欠かせないのだ。食事の最初に食物繊維たっぷりの野菜を食べると、糖質や脂質の吸収を抑制し、血糖値の急上昇や中性脂肪がたまるのを抑える作用も期待できる。